このレビューはネタバレを含みます
観ました。
この映画の公開ぐらいの時に聴いてた映画のポッドキャストでこの映画を絶賛していました。いつか観ようと思っていました。
こういう映画と思っていなかったです。
重い。
好きな映画にはなれないかも。
見ていて楽しくなれませんでした。
これほど心にくるというかズシっとくる映画は初めてだと思いました。
国民性の恨の心がこういう映画を作るのかなと考えも浮かんだんですが、最後まで観た時にはそれでは片付けられない感覚になりました。
恐るべし。
あとで知りましたが、主役の人が監督なんですね。
父親が母に暴力を振るうシーン、けっこうありました。
自分の子どもの時を思い出しました。
昭和では日常茶飯事でした。
見ながら人間の性という単語が頭に浮かんできました。
人間って周りを激しく痛めつけるように生まれてきたのかなと。
自分より弱い相手、家族にそれが向けられることが多かったり。
女性が殴られるシーンでは、複雑な気持ちになりました。
ハリウッド映画では殴った男は最後に罰を受けるはず。
この映画の中では、抵抗しても無慈悲に潰される。心の底から叫びたいやるせなさや悔しさを感じました。あまりに現実的。
主人公自身、最大の被害者なのかもしれない。それと同時に最大の加害者とも言えるのかも。
最後になにか「繋がり」を残せたのかもしれないという希望は感じました。
サンフン、野獣のように人を傷つけながらも、微かに見せる人間の部分が人の心に少しは残せるものがあったと感じました。
小さいものかもしれないけれど、人の心に残る人間になるというのは幸せといえるかも。