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そして人生はつづくのLipthinksのレビュー・感想・評価

そして人生はつづく(1992年製作の映画)
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ドキュメンタリーの体を装いながらフィクションであることを認識させる演出があって不思議な心地になる。

オープニング、トンネルの中息子の寝顔を映しながらのクレジットが観終わってみると1番安らげる。

それまで真面目にドキュメンタリーをやっていたのに、おじいさんのメタ発言やお椀を手渡すスタッフが出てくる場面で困惑する。

そうかと思えば、息子と監督とでそれぞれが泉に水道管をつけた話を繰り返すのは逆にリアリティのある演出だし、こういう映画だ、と決めつけて観続けることが難しい。

監督と息子が被災者に思いやりのない態度だったのは、どういう意図なんだろう。洗濯物をする母親に一丁前の説教をしてみたり、単語の間違いを指摘したり、賭けられるものがない人に賭け事を持ちかけたり。モヤモヤするけれど理由がある気もする。

丘の上にアフマドと思われる人影を見て引き返す、と思いきや勢いをつけて再び登り出すラストも印象的だった。
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