Taketo

ロリータのTaketoのレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
3.7
 パリからアメリカにやって来たハンバート教授は友人の紹介でヘイズ夫人の家で夏の間下宿する事になる。ヘイズ夫人
は夫を亡くした未亡人でロリータという美しい幼い娘と二人暮らしをしていた。
 共に暮らしていく内にヘイズ夫人はハンバートの事が好きになり二人は結婚する事になる。しかし、ハンバートがヘイズ夫人と結婚した理由は自分が好きなロリータと常にいる為だった。

 ハンバート・ハンバートというロリータコンプレックスの主人公の物語で原作の「ロリータ」はロリータコンプレックスやロリータファッションなどの単語を生んだ。
 ロリコンの主人公という事もありかなり性描写が凄かったり暗い感じかというとそんな事はなくむしろコメディの様な演出で物語は進んでいく。特に序盤ハンバートがなんとかロリータと一緒にいようとする姿は達観してみればコメディだと思う。
wikiの情報だと、原作との差異で「時代的な事もあり性描写が全くない」と書いてある。その為かそんなに物語が暗くないと言う事とハンバートがロリータの事を性的な対象と言うよりも人形のように見ているように感じた。特に中盤でのシーンでハンバートがロリータにペディキュアを塗り終わった後、「剥がすなよ」と言う。その時僕は、ハンバートはロリータの事を完璧な存在、それは性交渉も知らない人形のような存在として扱いたいのかなと思った。
 映像的にはモノクロ調で白から黒の幅が広いライティングが凄く美しかった。また家の中で長回し気味に取るカメラワークも流麗で良かった。
 夏が終わり、ハンバートが家からいなくなり、ロリータはサマーキャンプに行く事になり二人は、もう合えないかもしれないとなった時のロリータがハンバートに「Don't forget」と言いウィンクするシーンはあざとすぎる。

 
 
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