三隅炎雄

男の勝負の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

男の勝負(1966年製作の映画)
3.9
監督中島貞夫の前に監修マキノ雅弘と出る。墓地・刑場跡だった千日前を興行街にして栄えさせようと奮闘する侠客たちを描いた着流し任侠映画で、大道芸人やら乞食やらもまじってワッショイワッショイやるのはいかにもマキノ調、最後の出入りは殆んど『次郎長三国志』だったりするが、突如忍者が活躍したり長門裕之・藤山寛美の乞食コンビが元祖「まむしの兄弟」的エゲツなさを見せたりと、マキノ映画をより猥雑混沌とした自分なりの群像ドラマとして更新しようという工夫も感じさせ、マキノ雅弘の世界と後年の中島貞夫の世界とがちゃんと地べたで繋がっているのが確認できる。オールスタア映画的な緩やかな楽しさ華やかさもあって、中島貞夫が撮った着流し任侠物では一番面白い。
三隅炎雄

三隅炎雄