三隅炎雄

怪奇!二つの顔の男の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

怪奇!二つの顔の男(1971年製作の映画)
4.0
クリストファー・リー主演、ピーター・カッシング助演によるアミカス版『ジキル博士とハイド氏』。主人公名がマーロウとブレイクに変えてあって、フロイトに心酔する学者の設定にしてある。前段に心の傷を負った患者たちの症例を二つ置くことで、主人公が抱えることになる苦しみに奥行きをもたせた脚本がうまい。ステッキによる父親からの虐待の過去をさりげなく匂わせているのも感心した。引き締まった仕上がりで演出も上々、この原作の映画化では上の部類だろう。リーの演技も迫力があって見事。アミカスなのに駄菓子感がない、クラシックな風格の佳作だ。
三隅炎雄

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