psychedelia

王立宇宙軍 オネアミスの翼のpsychedeliaのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

やたら評価が高いので半信半疑で観たが,やっぱり面白くなかった。若手集団の制作ということだが,同じ若手の作ったジブリの『海がきこえる』とはえらい違いだ(あっちが氷室冴子の原作が付いてるというのもあるのだが)
ジブリアニメと比較する声もあるが,比べ物にならない。本作には力強さというものがない。なさすぎる。巧みな舞台設計だとか,精密な装置の構造だとか,そんな評判も私には良心的過ぎる見方としか思えない。宇宙計画の必要性という話だってピーター・ハイアムズの撮った『カプリコン・1』を初めとして70年代に随分出ている題材で目新しくもないし,舞台装置への興味だったら川崎のコンビナートで事足りる。そこに命を吹き込むことが物語を作るということであって,本作ではそれが叶っているとは言い難い。上手い物語,変わった物語で客の目を惹こうという風にしか受け取れない。機械文明の強大さとその反動に生まれる頽廃という描写だって,本篇全部を以てしても『天空の城ラピュタ』の龍の巣をも食い破るゴリアテ一艦に敵わない。
若さ故の欠陥,といったくらいの作品だろう。そう考えると『太陽の王子 ホルスの大冒険』を撮った東映動画の製作陣の凄さを改めて思うことになる。
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