mohemohenomori

ファイト・クラブのmohemohenomoriのネタバレレビュー・内容・結末

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!

冒頭の掴み部分めっちゃ好きだった。飛躍がすごい地の文から始まる作品全般が大好き!回想に回想を重ねることで冒頭の状況から一度離れられるように工夫されているような気がする。気のせいかも。
主人公の暮らしぶりも、患者の集まりに依存して顔を出すのも、仕事内容も全部ムカつくし、語りの口振りが本当にムカつく!と思ってたけどブラピのありえなさが異常すぎて気にならなくなった。映写機かっこいいーと思ってたら下ネタでひ〜ん😢となった。というかあれも主人公がやってたんだよね?やだな〜

ブラピが出てきてからの暴力祭りはずっとドン引きし続けていた。精神科行ってくれ…と思い続けて見てた。暴力が嫌いなので暴力でスッキリできる人の思考がいまいち理解できなかった。ただブラピはずっと色気があってカッコよかった。
だんだんブラピのような仕草になる主人公には萌えた。今思うと萌えもクソもない!

マーラとはそのうちベッドシーン来るだろうな〜嫌だ嫌だと思ってたらブラピに横取りされていてウケた。セックスで家揺れるの怖かった。
そういえば中盤でマーラと喋りながらブラピと喋るシーンがあるけど、3人が同時に居るような場面でも3人で会話していることは無いんだな〜

ファイトクラブが大きくなっていく過程のバイオレンス描写は怖かったけど、迫力があったので良かった。ファイトクラブやめろ!て言ってきたおじさんに力よりも狂気で勝つところが良かった。

タイラーを探すうちにファイトクラブがデッカデカになっているとわかるあたりめっちゃ興奮した。タイラー強すぎてエロすぎる!!💖

ブラピが実はワイだとわかるあたりからテンション上がってきた。みんな好きな奴だ!自分の創作でやってからこの手の話に対するモチベが下がってたけど、久々に見ると一人の人間の中で暴走する精神ってキモくてめちゃくちゃ気持ちがいいなと思った。何らかの理想によっておかしくなった人が好きだと思った。

なんとなく自害するんだろうなと思ったしなんとなくバッドエンドになるんだろうなと思っていたので、ラスト自体に驚きは無かった。でも破壊を徹底的に描いた映画として美しい終わりだなと思った。現状の破壊に興奮したり価値を感じる人間かどうかで映画全体への感想が変わるかなと思った。
最後の主人公の一言には解釈/考察?が分かれそうだけど、タイラーがいなくなってもタイラーを生み出した自分の欲望、破壊衝動は残り続けたんだな〜と思うことにした。タイラーという人格が残ったんだと考えるのも面白いけど矛盾するし…。でも主人公の人格が残っていたと考えると、悪行を止めようとしていた理性としての主人公はどこにいったんやという話になっちゃうかーよくわからない!

ラストシーンよりも、金髪少年をタコ殴りにした主人公の思考がいまいちわからない。BL目線で見ると(?)ブラピと何らかの作戦を共有している奴ら(しかも後輩)に妬みを抱いたのかなと思っていたけど何か違う感じがする。
あれは悪いことをしているから、とかではなくて、ブラピの行動が自分の知らない範囲に及んでいるから、苛々したり、無意識下で危機感を覚えたのかな?
なぜ金髪を殴ったのか、その時の表情や加減のしなさの理由もはっきりとわからない。あそこがブラピへの態度を決めるターニングポイントっぽいし、彼の作戦に対する意思の表れだと思うんだけど…。
わからないので今度また調べてみる。

振り返ると色んな伏線が散りばめられていて面白い。おさらいの楽しさは叙述ものの醍醐味!ただこれほど不健康な映像を2回観る気は無い。

暴力も破壊行動もあんまり好きじゃないので、テーマには納得できなかった。
金融界を破壊して「全てよくなる」という流れから、何となく貧困によるストレスから非行に走る話だと捉えそうになってたけど、自分の裕福な暮らしを自分の手で殺しているから、もっとシンプルに停滞への反抗の物語として解釈できるかもしれない。警察官がみんなファイトクラブに入っている理屈もそれで納得できなくもない…。
前向きな目標のある映画の方が好みだなと思った。

ともあれブラッドピットの色気がすごかったし、理想的なもの=完璧なものがエロいという部分に関しては共感できた。ムキムキになりてえ。

追記

バイオレンスもので叙述をやっているっていうのが個人的に新鮮だった。叙述ものって大抵は自己逃避なので犯罪とは相性良いのかもしれないけど、それにしても暴力はあまりにも肉体に依存する表現だし、内面の問題をテーマにここまで描き抜くのは凄い挑戦だなと思った。
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