ユースケ

遊星からの物体X ファーストコンタクトのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ南極観察隊と物体Xとの人類の存亡をかけた戦いの3日前、事件の発端となったノルウェー南極観察隊の壊滅を描いた【遊星からの物体X】の前日譚。
氷漬けの自殺体、顔が二つに割れた焼死体、そして、巨大な氷塊に閉じ込めらていた物体Xの正体など、【遊星からの物体X】では描かれなかった謎が30年ぶりに明かされる。

とにかく、【遊星からの物体X】でドッグモンスターのSFXを担当したスタン・ウィンストンの弟子に当たるアレック・ギリスとトム・ウッドラフJr.率いるアマルガメイテッド・ダイナミクスが、【遊星からの物体X】でドッグモンスター以外の全てのクリーチャーのSFXを担当したロブ・ボッティン立会いのもと、アニマトロニクス、モンスタースーツ、フィジカルエフェクトなど、古典的なSFXのテクニックをVFXのテクニックで加工した温故知新な職人技は必見。VFXを活かした顔に顔を押し付けて生きたまま融合するシーンは「分離の途中ではなくて、融合の途中だったのか!」と長年の謎が解けて胸がいっぱいになりました。

更に、音楽はジェリー・ゴールドスミスの弟子に当たるマルコ・ベルトラミが1980年代を意識したオリジナル楽曲を提供した上に、終盤にはエンニオ・モリコーネによる【遊星からの物体X】のエンディング曲を使用する過剰サービスっぷり。

ロブ・ボッティン風のクリ―チャーやエンニオ・モリコーネ風のメインテーマなど、【遊星から物体X】へのリスペクトが素晴らしい本作ですが、リスペクトが激しすぎて焼き直し感が強すぎる展開はちょっと残念でした。

では、最後に、本作が絶対に見たくなる魔法の一言を…
「大丈夫。メアリー・エリザベス・ウィンステッドが選んだ映画だよ。」
ほら、見たくなったでしょ。