このレビューはネタバレを含みます
今となっては珍しいキャラクター化されていないSFホラー。
男所帯で遊びが少なく、小気味良いハードな展開でラストまで駆け抜けます。人間側の行動は思い切りがよすぎるほど即決で、THINGの行動も迅速。展開の早さが効果して、THINGのほぼなんでもできるといっても過言ではない反則級の性能と、描写外の行動が気にならないのは剛腕だと思いました。
THINGの能力が次々と明らかになることで絶望感は醒めるどころか増し続け、駆除され続けてもなお最後まで恐ろしさを維持するのもすごいです。
また、現在の視点で見るとグロ描写が上品に見え、ロブ・ボッティンの最高級SFXは温かみがありました。やたらと血液がだらだら流れていたり、馬鹿みたいに紐っぽかったりしますが、いずれも提示された設定通りであり、不快感がありませんでした。
一番好きなシーンは、THING判別実験で判別成功して暴いたのにいつまで経っても動作しない火炎放射のシーンです。