SANUKIAQUA

遊星からの物体X ファーストコンタクトのSANUKIAQUAのレビュー・感想・評価

3.5
ジョン・カーペンター監督作品での
冒頭シーンにつながる
ノルウェー基地で何が起きたかを描く。
心拍音のような効果音と
オープニングのスタッフ紹介の文字の
フォントが前作と同じで
敬意を感じました。

前作でノルウェー基地を訪れた
詳細な描写があるので
そこの整合性を合わせる必要があり
そのあたりは見事に合わせたと思います。
あの氷の切り抜き、
合わさった顔の焼けた死体などの
謎が解き明かされます。

前作同様に最初にネタバレをされるので
問題はそこから深みを出せるかでした。
CGの技術により何でも可能になった分、
その弊害か、地球外生物の変態が
すごいんだけどワンパターンというか
ワッと驚く、のけ反る感じは
残念ながらありませんでした。
十分気持ち悪さはあるんですが。

現代に82年を描くのと
まさに82年に82年を描くのは
やはり後者が自然なのは仕方ありませんね。
誰もタバコを吸いもしない。

互いに疑心暗鬼になるわけですが
今回それを言語の通じない
ノルウェーとアメリカに分断したのは
ちょっと残念でした。

しかし最も残念だったのは
想像の余地があまりに少なく
見せすぎかなと感じたことでした。
女性主人公が火炎放射器で立ち向かう、
完全に「エイリアン」になってしまって
残念でした。

映画のラストは必然的に
ジョン・カーペンター版につながるわけ
ですが、ちょっと強引かな。
なんで彼無事だったの?

できればケイトが最後、
自分に対して疑心暗鬼になる描写が
欲しかったなと思います。
なかったということは…
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