ごまだんご

ファインディング・ニモのごまだんごのレビュー・感想・評価

ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)
4.8
小さい頃に映画館で観てからずっと大好きだった作品。海を描いた作品の中で断トツで最高の映画です。
何と言っても海中表現が凄すぎます。水色ではなく本当の「青」、いや「深青」です。深く恐ろしく広い海の世界を感じることができます。
「ニモ」とタイトルにありますが、この物語は「マーリン」の物語です。
最愛の妻を亡くした上、息子を見失ってしまう。臆病であった彼はこれをきっかけに大冒険へ出かけます。本当に恐ろしい体験をしながら。一人前のお父さんになるために。
この物語の魅力はキャラクター作りの巧みさにあると思います。ニモは片方のヒレが小さく生まれてしまっています。人間でいえば軽度の障害者といえるでしょう。また、彼は過保護に育てられているからか、コミュニケーションもあまり上手くない。マーリンは明らかに過保護で子育てに向いていない男です。ドリーは忘れっぽく、ニモ同様に人間でいえば障害を持っているといえるような女性です。このように、「どこかしらに欠点があるキャラクター達が冒険をする」。これだけですごく面白そうじゃないですか。そして、見た目は魚なのに彼らの内面が妙にリアルなので、人間味を感じてしまい感情移入してしまいます。そのせいか、名言やセリフもとても身に沁みます。このように様々な作りこまれたキャラクターが登場することで、誰にでも楽しめる映画に仕上がっていると思います。そして何より、キャラクターに深い愛着が湧きます。
怖いシーンも意外と多い映画で、例えば水槽に入れられる、漁師の網にかかる、ダイバーが覗き込みニモを連れていく、など魚から見た人の恐ろしさを感じさせる演出は見事としか言えません。
色んな意味で僕の人生に影響を与えた作品の1つです。
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