なかなか観れない作品っぽいので鑑賞。淡々としたムードながらも結構観応えあるガーエーでした……が、ぜんぜん残らなかったです!超絶美女エカテリーナ・ゴルベワの印象が異常に残ってますが、他はムムム、と唸っているうちに通り過ぎてしまった。でも、ゴルベワのこの世ならざる美を堪能したので満足っちゃ満足かも。
リトアニアからやってきた女優志願の超絶美女、移民?と思われるバイオリン弾きの黒人一家と、夫の弟であるゲイダンサーがそれぞれ主人公で、3つの話が並行に進んでいくパターンの話です。それらの物語に老女がターゲットになる強盗殺人事件が絡むというプロットです。この強盗殺人は実際にあった事件をモチーフにしているそうです。
なかなか観られない作品とのことで、観るチャンスが1日しかなくてですね、結構突貫工事的に観たんですよ。しかもここのところバタついているクセに、この前は仕事帰りに強引なスケジュールでレッドロケット観たり、U-NEXTでコレクターズが配信されたので無理やり観たりと、計画的では無かった。せめて考察は後回しにすればよかったのに無理やり書いたりしたから良くなかった。
一応早稲田松竹で1日2回上映で本日最終日。帰りの電車が混むので夕方の回ではなく昼間の回を鑑賞しました。しかし、午前中に洗濯とか買い物とかいろいろやっているうちに時間がなくなり、ギリギリにインするという状況で観たため、集中できなかったんですよ。昼寝でもしてからゆっくり夕方回観に行けば良かった。失敗だった。
とにかくゴルベワが美人、美人、本当に美人、美しすぎて磁場が狂うのではないかというレベルの美女であることを再度確認し、「ゴルベワやっぱり美人だなぁ〜、でもロングヘアフェチ的には『ポーラX』の呪術的なロングが良かったな」としみじみ実感したのが本作のとりあえずの感想です!
他にも適当に箇条書き。
・語りすぎない作風はジワジワと来るけど、こちらのコンディションが悪いと寝るか通り過ぎるだけ。欧州映画はコンディション大事。
・90年代初期だとエイズの治療薬が無く、自暴自棄になるよな〜と思った。どうでもいいけど、エイズで亡くなった有名ロッカーはフレディですが、本作観て何故かラットのロビン・クロスビーを連想。ラットなんてぜんぜん聴かないのにねえ。
・老女を狙った強盗殺人は、現在は特殊詐欺に当たるな、と連想。しかし、強盗はせいぜい単独犯だけど、特殊詐欺は組織だった犯罪で、実行犯も被害者の側面もあるため、警視庁は早く『ストップ闇バイト』的な啓蒙活動してください。
・舞台はムーランルージュがあるような華やかな地域?なはずなのに『ダゲール街の人々』みたいな街だな〜と思いました。歌舞伎町みたいにギンギンに毒っ気のある街かと思った。
・黒人ゲイダンサーのパートナーが若き日のロブ・ハルフォードみたいだった。ヘルベン、ヘルベンフォレザー!
・途中で判明してくる殺人事件の概要ですが、犯人たちは素手で物色しており、そんな雑なやり方で何十件も捕まらなかったなんて、時代を考慮しても警察無能すぎない?
・黒人バイオリニストは故郷?に帰って原始的な生活を送ることを「楽園生活」と言って夢見ていたけど、「1キロ先の泉に水を汲みに行く」の一節で楽園感台無し。徒歩圏内にコンビニが無いだけでファックシットアップな俺っちにとって、そんな無人島みたいなところで生活とかあり得ない。何が楽園だッッ!いかに技術の発達や文明の進化がありがたいのかを思い知りました。文明万歳!科学技術万歳!都会万歳!
・本作では特別な貧困描写、差別描写は無かったような印象ですが、登場人物たちは皆どん詰まりで生きており、未来への展望がゼロであることがよく伝わります。本作に漂う、くすんだ灰色のようなどろっとした空気感は、自分が若い頃に体験したまったく希望が無いムードと一致します。『レッド・ロケット』も結構な底辺でしたが、本作もどん詰まってます。
・ゴルベワは美しいだけでなく、なんか異常なオーラがあります。ホント、この世のものならざる雰囲気で、早逝は実に残念ですが、もしかしたらこの世にあんまり馴染まないタイプの人なのかも、なんて想像しました。『ポーラX』なんか顕著ですが、ちょっと普通ではない。