エクストリームマン

月光仮面のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

月光仮面(1958年製作の映画)
3.7
月光仮面は誰でしょう?

川内康範原作!?の日本最古参の特撮ヒーロー月光仮面。モロに原爆そっくりの“HOジョ一発爆弾”を作った中山博士が怪人:どくろ仮面に狙われさぁ大変。博士、なんでそんなもの作ったの?名探偵祝十郎(大村文武)をニセの依頼でインドに行かせた(回りくどい)どくろ仮面に敵はなく、博士と爆弾の設計図にどくろ仮面一味の魔の手が迫る。そこに登場したのが月光仮面、オートバイがノーヘルターバンで公道走っても無問題だったおおらかな時代の申し子にして、2丁拳銃とターバン越しのモゴモゴした喋りが武器の謎のヒーロー。

弾着はほぼないけど(壁に少し当たるくらいか)銃撃の方は凄まじく、マシンガンまで敵が持ち出してきたりして結構派手だし、カースタント&オートバイスタントが割りと無茶してて意外に見応えある。もっと牧歌的なテンポで編集してるのかと思いきや、テンポよくて見やすい。ノワールを意識してるのか、敵側のドラマがシリアスだったり、攫ってきた子供を吊るして火あぶり寸前みたいな場面で延々子供のガチな悲鳴みたいなのが流れてたり、今観ると攻めてる。あと、江戸川乱歩感というか、二十面相と明智小五郎、少年探偵団の趣あるキャラクター構成だった。こっちは両方仮面被ってモゴモゴ喋ってるけど。テレビドラマのストーリーを映画にコンバートしてるのに、画作りは広角と奥行きを意識したものになっていて、その辺ちゃんとしてるなと。

こんなに面白いなら、シリーズ制覇もアリか。