本作は1988年に起こった《西巣鴨子供４人置き去り事件》をベースにしたフィクションである。
あくまでも実話「ベース」であり、ノンフィクションではない。
是枝監督による子役の演出は日本一だと思う。
子供たちでふざけ合ったり笑い合ったりするシーンが本当に自然でこちらも思わず笑みが溢れてしまう。
だからこそ、家がどんどん汚くなっていき、子供たちの表情から笑顔が消えていく過程には胸を締め付けられた。
『誰も知らない』
それは、子供たちが過ごした過酷な生活であり、母親と子供たちとの間にあったたしかな愛であり、たしかに笑顔があったことであり、いじめを受けて不登校になった女の子が入り浸るほどに愛で溢れた空間があったことであり
そして
「知らなかった」で済ませて関与しようとしなかった周囲の大人のことも皮肉っているのではないか。
母親が不在で荒れきった部屋を覗いた大家の女性、着古した洋服を着て毎日のようにコンビニにインスタント食品を買いにくる男の子を見て何も言わないコンビニの店員、
そしてもちろん親。子供たちの状況をきちんと知ろうともせず、とりあえずお金を送金する母親。
誰か、誰か1人でも介入してくれていたならば。
もちろん兄弟が離れ離れになることを何よりも恐れていた長男の気持ちは尊重したいけれど、13歳の子供だけでは何もできない。
誰も知らなかったから、何も知らなかったから、
現実から目を背けずに誰かが踏み込んでいれば幼い命が失われずに済んだのではないかと思うと悔しい。
この映画の時代よりもさらに他者とのコミュニケーションが失われている現代。こんなことで尊い命が失われないよう、社会が協力しないといけない。
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柳楽優弥すごいな〜
目がとても良い。すごい大人びた顔つきをしたと思ったら、友達と遊ぶ時や野球をする時には屈託のない笑顔を見せて、ああまだ子供なんだってなんだかホッとする。
これがガンニバルのダイゴになっちゃうんだからなあ。😇笑
