りのあ

誰も知らないのりのあのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
4.0
巣鴨子供置き去り事件という、実際にあった事件をもとに、
フィクションを加えて映画化した作品だそうだ。
主演で12歳の長男役を演じた柳楽優弥が、第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した作品でもある。

TSUTAYAの邦画コーナーで何作品か名作ピックアップされていた中で、
柳楽優弥が14歳の時の作品か〜と何となく手にしたのだけど、
いやぁ〜なんと重い作品だったことか!
巣鴨の事件が元になっているとかは、
作品を見終わってから検索して知ったけど、こんなに辛く酷い出来事が本当にあった事だなんて、もうね…(˚ ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )

父親が異なる4人の兄妹と母の母子家庭。アパートを追い出されないために、父が海外赴任中で母と息子の2人暮らしだと偽って暮らす彼らは、そのため学校にも通ったことがない。だが母親に新たな恋人が出来て、兄妹に20万円を残して失踪、子供たちはなんとか自分たちで暮らしていこうとする。

母親役はYOUさん。
全く個人的な感情になってしまうので申し訳ないのですが、
YOUさんの事を、自分の事だけ綺麗にしたり、自分が良ければ他はどうでもいいというような、だらしないお母さんというイメージで見ていた自分からしたら、
失礼だけど、なんてこの役に当てはまっているんだろう!と思ったのと同時に、役柄と本人がダブりまくって、映画だと分かっているのに、本気でムカついて胸くそ悪くて仕方なかった。
(実際のYOUさんが、全く正反対だったりしたらほんとすみません、勝手なイメージです)

20万置いていかれて、最初はクリスマスには帰るから。と言われたら(おそらく2週間くらいと子供達も思ったはず)
その中からきちんと家賃や光熱費も支払って、スーパーできちんと買い物をして、家計簿チックな物まできちんとつけて、
長男はかなりしっかりしていたんですよ。
でもお正月になっても、入学シーズンになっても夏になってもお母さん帰って来ないんです…。
たまーに現金書留でお金が少し送られてきたり、兄弟それぞれの父親のところへ、長男がお金をねだりに行ったりしますが
そんなの微々たるもので、そのうち電気や水道が止まります。
その辺からはもう転落の一途です。
悲惨です。

やはり一番上が中1くらいだと、こうもどうにもならんもんなんですかね…。
警察や児童保護施設?なんかへ相談すると、兄弟4人が離れ離れになるのが嫌だからと拒否していたようですが。
コンビニのお兄さんが廃棄するオニギリをくれたり、イジメを受けていた女子高生と仲良くなったり、周りから見てどう見てもヤバイというのはわかりそうなもんだけど、誰も何も行動はしてくれないんだなー。
実際最近のニュースだって、ありえないような親の育児放棄や虐待の報道されてますものね。
この映画の中で母親が言っていたセリフで、「私が幸せになっちゃいけないのー?」みたいなのがありましたが、
まさにそれなんでしょうね。
自分が恋愛したり楽しんだりする方を取ってしまうんだろうな。


柳楽優弥は、演技してます!という感じが全くなくて、すごく自然だったし
セリフの無いところほど凄いなって思いました。
今とあまり変わってないのも凄い。

コンビニの店員のお兄さんが加瀬亮だったり、
兄弟のお父さんが木村祐一や遠藤憲一だったりして驚きました。
りのあ

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