かなごろう

誰も知らないのかなごろうのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
3.9
子どもたちの純粋さも非力さも、いたいけさも強さも、悲しみも願いも、言葉ではなく表情や映像で、この作品にいっぱいいっぱいに詰まっている。

なんといっても柳楽優弥くん。スクリーンの中で、彼は演技してるのじゃなく呼吸して生活してるんだよなあ。
辛いなんて一言も言わないし、映像は悲壮感を訴えない。それなのに、これほどまでに苦しい。それでも、その苦しさは誰も知らないわけじゃないんだよ。わずかでも、たしかに世界の隅っこでつながってる人がいる。

映画ではなく、真実でもなく、ひとつの事実として切り取られた作品のように思った。そして瑞々しくて鮮烈なカットが何度も重ねられるところ、是枝監督若かったんだな。