都内のアパートの小さな一室、確かに在った四つの小さな命の話。
子供は親を選べないって正しくその通りで、親は子供を作るか否か、産むか否かの判断ができるのに対して、子供はその親の元に生まれれば一定の歳までは抗えない。
一途な子の想いに僅かでも応えられてこそ一人の親であり、子を裏切り欺く行為は余りにも愚行。
最後まで母親を信じたい一心の子供達は涙なしでは見れない。
漢字辞典、マニキュア、ポチ袋などの小道具から読み取れる子供の心情や時間経過など、言葉のない説明がさり気無くも丁寧で、作品に浸りやすい印象。
題材となった「巣鴨子供置き去り事件」はより残酷で、本作では比較的ソフトに描かれている。記事を読むだけでも辛くなるが、平和な国でもこんな悲惨な事件が起きたということを我々は知っておくべきだと思う。