臓器移植をテーマにした作品ということで、邦画にありがちなお涙頂戴的な作品なのかと思いきや…。
S.ペンが主演となると、流石に一筋縄ではいかない、複雑に感情が入り組んだストーリー展開で、次第にやるせなさが募っていきました。
臓器の提供者がどんな人物なのか。知りたくなるのは心情としてわからなくはないですが、その後の展開が…。
こういう男を演じさせたらやはりS.ペンの右に出る俳優はいないでしょうね。
彼は結局、何をやりたかったのか?
振り回されてしまった女性二人に同情を禁じえません。
登場人物一人々々の感情が細かく描かれており、なおかつ実力派俳優がそれを丁寧に演じきっていて、監督の演出なのでしょう作品全体に落ち着き、また説得力があります。
特にB.デル トロ演じるジョーダンの苦悩、宗教に敬虔であるだけに悲壮感が大きく、クルマを運転する者としてとても他人事とは思えず、身につまされます。