友ニ

いちご白書の友ニのレビュー・感想・評価

いちご白書(1970年製作の映画)
4.3
 1970年の公開いうことで、あの時代の空気感雰囲気がよく伝わってくる作品でした。ドキュメンタリーを観ているようです。
 クライマックスの、車座になってJ.レノンの『平和を我等に』を皆で歌うシーンは、落涙とまではいきませんが、本当感傷的になります。あの場にいて一緒に歌いたかったです。当時を知っている方だったら尚更ではないでしょうか。
 
 ただ、一連のあの運動が国家権力によって弾圧され、こと日本では羹に懲りて膾を吹く的にパッタリと政治的な発信が疎まれるようになり、政治と宗教はタブーとされ、いわゆるノンポリが時代を支配しそうやって何も考えずに生きてきた世代が今、政治や経済を牛耳っている現在。自ら進んで戦争に加担していくような国家へと変わりつつあるこの国に、またこの作品のような反戦不戦の熱気が必要なのではないでしょうか。

 戦争と暴力は、絶対にあってはならない。
友ニ

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