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21グラムのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

21グラム(2003年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

それでも太陽は昇る。

交通事故で亡くなった三人。ある夫とその子供二人。そして、その夫の心臓を受け継いだ男。

彼の心臓はもう停止する寸前だった。
彼は、心臓を受け継いだ後、その心臓の在り処を探し出した。彼はその心臓を引き継いだ意味を探している。

愛する人が死を前にしているとき、その臓器を誰かに差し出すことができるだろうか。待ち望んでいる誰かに善意で提供なんてできるだろうか。

もし、そうなったとき、目の前に愛する人の臓器を持った人が現れたら?

時間軸はパズルのようにバラバラだ。
移植された心臓は、その役割を終える。
冷めきった夫婦関係、温かかった夫婦関係も、これから構築すべきだった夫婦関係も、みんな、その役割を終えていく。
映画は、それぞれ役割を与えられて、その役割を終えては消えていく。物語の終末とは、役割の喪失だ。

犯人は信心深い犯罪者だが、彼にも家庭があり、その罪に苛まれ、苦しみ、死に場所を求めている。

簡単に愛を口にしてはいけない。
刃のように、心をつんざき、修復できなくなる。

彼ら3つの家庭のパズルは、交通事故によってバラバラに壊されて、しかもごちゃまぜにされて、いびつに再構築される。

人が死ぬとき、21グラム軽くなる。その重さだけが、人一人の人生の重さだ。それが嘘八百だとしても、人の人生なんてそんなものだ。
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