タイトル通り、ダメ夫の妻への愛情を描いています。
戯曲家の中谷まゆみ原作で幾度も舞台化されている作品。
舞台劇のようなセリフ回しはトヨエツと薬師丸ひろ子、ベテランの石橋蓮司には違和感なく、かえって夫の嘆きの大きさが表現できていると思いました。
前半コメディ、後半はシリアス。
わかっていたとはいえ、涙する場面がありました。
でも、もっとコンパクトにまとめられたらよかったし、カメラマン助手(濱田岳)と女優志望(水川あさみ)の恋愛を並行して入れる必要があったのか疑問。夫婦のあるべき姿を助手が師匠を反面教師として学んだということかな。
夫婦の愛情に絞らず、散漫な印象をもちました。
filmarksで高評価なのは、どんでん返しのためと思うけれど、種明かしは半ばでされるし、最初からそうにしか見えない。できれば夫が妻への愛情を冒頭から示しつつも混乱したり、もう少し複雑に人物像を作り込んで欲しかったです。
キャラクターは記号的でした。
トヨエツは大声を出す役柄は合わないけど、何を演じても色っぽくていいですね。
薬師丸ひろ子の瞳はいつもキラキラして前向きで、内側から滲み出てくるものなんだろうなと。だからなのか、情けない男性に光を与えられる。
写真の演出は感動的でした。
井上陽水ありき、なのはプロモーション優先みたいで、曲に気持ちを乗せられなかったです。こういうのはテレビっぽくもあり、昔の角川の売り出し方にも見えました。古風な演出だった。
期待していたためか、思っていたより散漫だったので、スコア上げられませんでしたが、舞台劇だったらおもしろかったと思います。もともとがそういう作りでした。
邦画はあまり観ていなくて、行定勲作品は初めてです。
原作の中谷まゆみは鴻上尚史の第三舞台出身の劇作家。
◆追記◆
今一つ響かなかったのは、トヨエツ好きだけど(以前、自転車に乗っているトヨエツに道を聞かれそうになり、恥ずかしくなって逆方向に私は逃げてしまった大後悔あり😭)
演じる夫にコメディなら笑えるけど、シリアスでは許せない印象持ち、いつまでもガキの僕を寛大に受け止めてオーラにムカついただけです。トヨエツなら許すけど…矛盾😅
