ふかい

ドッペルゲンガーのふかいのレビュー・感想・評価

ドッペルゲンガー(2002年製作の映画)
4.7
10年ぶりくらいに見たらめちゃくちゃ面白く感じたなあ。
序盤は黒沢清お得意の心霊描写。さっきまで遠くにいたはずのユースケがすぐ近くにいるところとかギョッとする(これは後半でユースケを突き飛ばすところでも反復される)
ドッペルゲンガーは保守的で内向的な役所広司から見た自分のありたい姿(アバンギャルドで開放的、欲望に忠実な役所広司)の具現化なのかなあと、意外にファイトクラブにも通ずる設定なのかなと思いつつ、清は特にそこには関心もなく、スプリットスクリーンをやりたかっただけのようにも思える。
BGMがめちゃくちゃ古典映画っぽいけど発想は超モダン。終わり方とか黒沢清作品の中でも最も爽快な部類ではないか。
ユースケサンタマリアみたいな野良のやつが主軸になっていくところが清っぽい。死に際が全員あっさり(柄本明のトラック轢かれ、ユースケのドア直撃)しているのも良い。ユースケvs大玉転がし、最高
全体的に編集のテンポ感が素晴らしい。
あのガジェット作るだけで結構金かかりそうだけど、よくこんな変な映画にお金集まったなぁとも思う。
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