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ローズマリーの赤ちゃんのadeamのレビュー・感想・評価

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.0
オカルトと心理サスペンスを巧みに融合させた傑作ホラー。
隣人への不快感がやがて大きな不安へと広がっていき、夫すら疑わしくなっていく過程の神経がすり減るような心理描写がお見事です。
悪夢なのか妄想なのかは観客にも明かされないので、その不安を主人公と共有することになるのですが、周囲の人々のどう考えても怪しいのに確証が得られない感じが絶妙で、自分自身すら疑わしくなっていく中でお腹の子はどんどん大きくなっていくことの恐怖は悪魔やモンスターよりもずっと恐ろしかったです。
儀式翌朝の夫がやけにナチュラルなのですが、役者という設定を思い出してやけに納得してしまいました。
後味が良くはないものの悪いとも言いきれない結末では、怒りや恐れを超えた母親の覚悟が仄めかされているような気がしました。
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