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戦火のかなたのbirichinaのレビュー・感想・評価

戦火のかなた(1946年製作の映画)
4.5
原題Paisaは、第2エピソード(ナポリ)で黒人米兵が少年に対して呼びかけていることば(同胞→broみたいな感じ か)。
酔っ払った黒人米兵が操り人形小屋に入るシーン、舞台に乱入するのは、演じられている騎士オルランドとアラビア人の対決で、黒い肌をしたアラビア人が負けてるから加勢したくて。

第4エピソード(フィレンツェ)にジュリエッタ マシーナが出演していると聞いてさがしてみた。後半、主人公の男女が、住民たちが避難している建物内の階段でことばを交わすチェックの服の女性か? 「叔母が〇〇橋の近くに住んでるんだけど、その辺りの家は破壊されたの?」「ファシスト隊がいるから気をつけて」と言っている若い女性だ。

なお、ドイツ軍とファシスト隊は、アルノ川に架かる橋を、ヴェッキオ橋を除き すべてを破壊した。ヴェッキオ橋だけは残したが、代わりに橋のたもとにある建物を爆破したのだそう。主人公二人は、ドイツ軍がまだ存在に気づいていないヴァザーリの回廊を通ってアルノ川の対岸にある町の中心部へ向かう。
ヴァザーリの回廊もウフィッツィ美術館も本物。戦争の傷跡が残る町の様子がリアルに作品の中に残された歴史的意義のある作品だ。
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