Yukenz

ロード・オブ・ウォーのYukenzのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
3.8
悪の根源であり憎むべき武器商人のはなし。武器を売った後に起こるであろう悲劇には一切向き合わず商売に精を出すユーリーには臍を噛む思いで、歯軋りしながらニコラス・ケイジを睨んでしまう。

彼の弟を演じるジャレッド・レトが武器取引の真っ最中に奇行に走ったのは衝撃的だった。この商売に染まっていなかったのは幸いだったが、それが極限の状態で悪い方向に作用してしまった。そんな人物がそもそも此の地での商談に赴くべきではなかった。

追い討ちをかけるように起こるユーリーへの仕打ちは身から出た錆ということなんだろうが、インターポールの捜査官イーサン・ホークの執念の遥か上をいくラストシーンの衝撃に思い切り頭を殴られたようで、呆然としてしまった。

国連常任理事国である5国の行為が明るみにされた時、この作品の本質を知ることになる。これをシニカルに言いたかった訳で、それまで見せられていたストーリーが壮大な前振りだったのだと思うと眩暈さえする。

人類の大いなる無責任- 世の中から紛争が無くなるのは無理な話なのだろうか・・・
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