針

飛行士の妻の針のレビュー・感想・評価

飛行士の妻(1980年製作の映画)
3.8
配信あるけどまぁいいかなーと思って外出ついでに劇場で観てきました。エリック・ロメールは『緑の光線』に次いで2作目。

パリを舞台にした役者の多い恋愛コメディ。
不倫相手のパイロットの男に振られた女性と、その現・恋人である青年の2人が主人公。男と女に纏わるたった1日のほんの小さな出来事を描いた映画で、きらいじゃないなーと。偶然すぎる偶然の連続が楽しい。特に主人公の青年が途中で出会う女の子がちょっとへんな性格で面白かったです。

嫌味にならない程度に男と女それぞれの特徴を掘り下げつつ、最終的にはまぁみんなこういうとこあるよねーという軽やかな雰囲気でまとめてる感じが好きでした。しかし恋愛のすったもんだにおいてはうわ手の取り合いという面はやっぱりあって、結局惚れたもん負けかなぁという感じも。

あとはこのストーリーにこの題名をつけるセンスにはちょっと脱帽。

前に観た『緑の光線』はわりと抑制的なテンションという気がしたんだけど(特にカメラワーク?)、こちらはふつうに人の行き交うパリの楽しさを謳っていて、当たり前だけど作品ごとにアプローチが違うのねーと思いました。

ただ、フィルム上映で字幕が古かったせいか、白い字のまわりに縁取りがされてないようで、背景が白っぽいシーンだと埋もれてしまって文字を追いきれないところはちょっとありました。だいたいは分かるのでまぁいいのですが。
針