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ジョゼと虎と魚たちのまるまるのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
3.9
冒頭、恒夫(妻夫木聡)の語り。
思い出語り然と、
この後のストーリーを匂わすんだけど、
話し方に心情がよく出ていて
どういう話が待ってるのか、
なんとなく見えてくる。
胸がチクリとする。
ところで、ラブホで写真を撮るってどうなんだろうw

大学生の青春モノ。

好奇な噂話の対象になってた
「気色悪いババァ」。
まだ人出も疎らな早朝の町に
毎日、乳母車引いて徘徊する
ボサボサ白髪頭の婆さん。
乳母車にはミイラが乗ってるだの
大金が積んでるだの
クスリの運び屋だの
あらぬ憶測を呼ぶ噂の人。

ひょんなことから、
その婆さんの家で朝食をごちそうになり、
繋がりができた恒夫。
乳母車に乗ってたのは
足の不自由な孫、ジョゼ(池脇千鶴)
古いこじんまりとした家に
二人で住んでる。
世間から離れて暮らしてる。

恒夫はセフレ持ちの大学生。
最近彼氏と別れた香苗(上野樹里)に
モーションかけられてウキウキしてる。
その一方でジョゼの家にも
足繁く通う恒夫。
つまり、そう言う奴。
それは周知の事実のようで、
香苗と話す恒夫に「あかん」と焦る友人の
嫌がらせがイイw

あの時代って
あんまり人の事考えない
ていうか、
考えられないから
奔放だったよなぁ。

乳母車勝手に改造して
「こんな時間に出るとオバァが嫌がる」
というジョゼを
昼間の散歩に誘う。
「ね?」
ドキドキしたw
ジョゼの顔。
いいなぁw

「なんや、あの雲
 持って帰りたいわ」

まっすぐで、後先見ず。
いいシーンだったなぁ。
なんかこう、キラッキラしたものが
ずっと続けばいいのにって
現実と現実の間に間に思ってたよなーって思いだした。

現実と現実の間に間に。

そんな映画w


♪僕が旅に出る理由は
だいたい100個くらいあって

映画とリンクしてないようで
してるエンディング曲
くるりの「ハイウェイ」
そんなこと、確かに考えてましたw


へんなCGはもうちょっとやりようあっただろ。


…それにしても、この映画は香苗(上野樹里)に
うらみでもあるんだろうかw
あれは悪気はないじゃ済まんだろ、恒夫(妻夫木聡)w
せめて涙流しながらでいいから笑顔みせて
何か言葉かけるくらいは最低頑張ってほしかったぞ。
まぁ青春の残酷さと言えばそれまでだけど。

香苗がんばれ!と応援したくなる映画でもあったw
…でもまぁダメだろな。あの二人。
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