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エイリアン2のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
4.0
謎の生命体を撃退したノストロモ号唯一の生き残りであるRipley(Sigourney Weaver)が救出されたのは、惨劇から57年後の事だった。未知の生物に襲われた惑星Lv-426では既に植民地化の準備が進んでおり、入植者がコロニーを形成していた。そんな折、突如コロニーからの通信が途絶する。


◆監督・脚本をJ.Cameronが継承!

ターミネーターで脚光を浴びたJ.CameronがSFホラーの代名詞・エイリアンの続編に抜擢!ランボーで続編を担当した時と同じく、一作目の作品設定「だけ」をうまく引き継ぎ、珠玉のアクション・エンタメ作品に昇華させている。

【恐怖と絶望の象徴】だった化物(今作ではXenomorph:異星生物と呼称)は、生き残るために【駆除する対象】へと早変わり。ミリオタを公言している監督らしい豊富な銃火器(とその解説シーン)が火を吹き、ばったばったと薙ぎ倒していく。ターミネーターの戦うヒロイン・Sarah Connorを彷彿とさせる勇ましいEllen Ripleyの姿も印象的!

SFホラーではなく、SFアクションとしてリメイクされた今作も非常に完成度が高い。ビビリスト的ドキドキシーンがちょこちょこ挟まれているのも程よいスパイス。心臓に大変優しい作りで助かります。

☑︎ 何年前の事故について吊し上げてんの?
☑︎ 入植者襲われるタイミング良すぎない?
☑︎ え?戦場に非戦闘員を連れて行くわけ?
☑︎ おいおい現場の指揮官チキン過ぎない?

などなど、種々のツッコミどころを用意してくれているのもありがたいポイント。娯楽作品の何たるかをわかってらっしゃいますね監督!


◆J.Camerone流のエイリアン

グロテスクな造形と生態はそのままに、Cameron流のエッセンスが加えられた今作では、《卵を産み続けるクイーンの存在》が新たに付加される。

前作で明かされていた生態が、元々ジガバチの様な性質(生き餌に寄生させる)だっただけに、新たな《女王と兵隊》というミツバチやアリのような設定は親和性が高い。

卵を守るクイーンと、幼いNewt(Carrie Henn)を守るRipleyという構図も母性のぶつかり合いの様に映る。前作でフェミニズム論が展開されたそうですが、続編はものすごくフェミニンな感じですねぇ。

モンスターに《感情》の様なものが芽生え始めたのも今作。前作では殺戮本能しか窺えないアブない雰囲気だったのに、今作では卵を燃やされた事に喚き散らしてブチ切れたり、エレベーターを前に小首を傾げる仕草があったり、概念的な要素よりも生物としての側面が強調されている。

クイーンの造形とか、巣の造形とか、前作と「似ている」デザインで気色悪いんだけど、H.R.Gigerの独特なグロテスクさが無かった様に感じた。お陰で見やすいっちゃ見やすかったんですがね。


◆生き残った女の子がめっちゃ可愛い

地獄と化したLv-426で、親兄弟を亡くしながらも何とか生き延びていた少女Newt(Carrie Henn)。

彼女がいる事で、Ripleyの母性がクイーンのそれとぶつかる演出に繋がったし、何より殺伐とした戦場に癒しの花が添えられた。

物語が進行する上で必要とされるシーンを除いて足を引っ張ったりしないスーパーいい子ちゃん。途中パニクった海兵隊員さんよりも肝っ玉が座っている。サムズアップや、イエッサーのジェスチャーは身悶えするくらい可愛らしかった!

あ、ロリコンではありません。


*雑記*
コロナワクチンの副反応で熱に浮かされながら観れば、怖さもきっと半減だよね!とドヤ顔で観ましたが、今作はホラーじゃ無かったですね!

手に汗握るアクション大作でした!
お陰で熱が上がった気がするよ!