よーだ育休準備中

マッドマックス 怒りのデス・ロードのよーだ育休準備中のレビュー・感想・評価

5.0
前作、サンダードームから27 年。George Miller監督が再びメガホンを取り、荒廃した世界を描くシリーズ第4段。シリーズ1作目でヒールを演じたHugh Keays-Byrneが、今作のヒールImmortan Joeを演じている。


(2作目で壊れたはずの)愛車・V8インターセプターを駆るMax(Tom Hardy)は、シタデルの領主・Immortan Joeに囚われる。時を同じくして、シタデルの大隊長Furiosa(Charlize Theron)はワイブズを連れて脱走を画策していた。


過激な世界観。個性的すぎるキャラクター。迫力のアクションシーン。徹底してカーチェイスが描かれているのにドラマ性・メッセージ性が強い、非常に見応えのある一本。


今作で狂っているのは間違いなくMaxではなく"世界"。ウォータンクから落ちかけたSplendidが持ち直した際にはぶっきらぼうながらもサムズアップ。とても丸くなっていらっしゃる。いいと思います。


完全に荒廃しきった世界で、水源を抑えるザ・悪のカリスマImmortan Joe。
粗暴が故にワイブズの反感を買っていたものの、荒廃した世界で指導者としての手腕はとてつもない。

●周辺の盗賊達とは敵対しながらもガスタウン、パレットファームとは協力関係を築く外交手腕。
●北欧神話の様な宗教観でウォーボーイズの忠誠を集める求心力。
●“鉄馬の女たち”が育てられなかった農作物を実らせる農耕技術。(地下水を抑えている地の利も多分にありそうだが。)
●後継者への教育姿勢。ワイブズの部屋には本や黒板、ピアノなどがあり、学問・芸術への理解が窺える。
●後継者の母たるワイブズへの厚遇。(鉄馬の女たちから肌と歯を褒められている)
●領民への最低限度の富(飲料水)の分配。

Green Placeが失われた事を知ったFuriosa達は、持てる資源が尽きるまで逃避行に出ようとするが、Maxの一言でImmortanに反旗を翻す事になる。

外部因子が混ざらなければこれほどまでに絶対的な存在として自身の地位を一代で確立した手腕は相当なものであると認めざるを得ない。

そんな策士・MaxはFuriosaをその気にさせてシタデルを奪還した後、"you know hope is a misstake"と言い残して一人去ってしまう曲者っぷり。Mel Gibson演じたMaxよりも魅力的だった。