2021年 鑑賞 21-100-3
BSテレ東にて、テレビ初放送の4Kでらっくす(4Kデジタル修復版)での一挙放送にて。50/50作目。50作鑑賞しましたぁ！50作「お帰り 寅さん」を再鑑賞して往路完走です！
ー ハイビスカス再び 伯父さんは今どこで旅を ー
渥美清さん追悼で製作された特別篇。お馴染みの主題歌は八代亜紀さん(前口上は渥美さん)。
靴の営業で、靴のサンプルを詰めた鞄を持ってのどさ回り。夢現つの大人の満男が、伯父さんこと寅さんの白昼夢や回想を...
ファンの間でも人気のマドンナ・リリー(浅丘ルリ子さん)と寅さんの回想を。あぶくのような、世間ではあまり必要とされていない存在だと思っていたふたりの11作「忘れな草」。寅さんのアリア、さくらの「リリーさんがお兄ちゃんのお嫁さんになってくれればどんなにいいか」の15作「相合傘」。そして...
人気投票で上位に入る25作「ハイビスカスの花」の回想(夢始まりの部分はなし) + 新撮(当時いなかった大人の満男、三平(北山雅康さん)、加代(鈴木美恵さん)の登場。
(当たり前だが)寅さんもさくらも博もおいちゃんもおばちゃんも御前様も社長も、若いっ！
なんか寅さんの飛行機嫌いのシーンを懐かしく思えた... 1年も経っていないのに...
あのピクニックのシーンも、飛行機嫌いの寅さんが飛行機に乗った理由も、リリーを間違える下りもお馴染みだが、笑えるし、らしいって思うし、馬鹿馬鹿しいし、刺さるし、もう愛くるし過ぎだ！
ハイビスカスの花、鮮やかな口紅、リリーの言葉、寅さんの恥ずかしそうな笑顔。そして、リリーの退院、寅さんとリリーとの共同生活が...
“リリー 俺と所帯を持つか？”
リリーさんは、寅さんと結婚を意識していたが、寅さんにはその気がない(わかっていてもはぐらかす、踏み出せないのか？)。そのすれ違いから大喧嘩。そしてリリーは沖縄を離れる。追いかける寅さんも、三日三晩飲まず食わずで行き倒れ。そして、柴又のとらやに担ぎ込まれたわけだが... リリーが再び柴又に現れ...
寅さんとの再会のシーンは名シーンだ！寅さんと社長との取っ組み合いの喧嘩、労働者諸君。どれもが皆懐かしい... なんつって！
最後のあのシーンはいいよねっ！寅「どこかでお目にかかった顔ですが、姉さん何処のどなたです？」リ「以前お兄さんにお世話になった女ですよ」寅「はて こんないい女お世話した覚えはございませんが」リ「ございませんか この薄情者」寅リ「ふふふ」寅さんの「リリーの夢を見てたんだよ！」と、あの笑顔も大好き！
沖縄の綺麗な風景、海、水族館、夕方に、柴又の夏の晴天、大きな雲と、美しき風景で見る “夢” は、なんて素敵でロマンティックだろう。でも、いつかは醒めてしまう。だからこそ、今日も生きていけるのかもしれない！あの最後の帝釈天から注ぎ込む夕陽ような故郷に帰ってこれる。
冒頭の駅のホームに現れた寅さんは白昼夢という名の合成だとしても、寅さんはどこかで旅を続けているという内容こそが、渥美清さんという偉大な俳優が亡くなっても、車寅次郎は、生きていて、どこかで旅をしていると思えた、寅さんファンへの、山田監督のアンサームービーだった！
先日、姪が希望の高校の受験に合格しました！ありがとうございます！高校生、いわゆるJKになって、私はより怖くなったものがあります。「ハイビスカスの花」の時の寅さんのように... (姪の)非行期/飛行機 特別篇でお届けしました！えっ、2回目？それを言っちゃあ終めぇよ！
“わたしの寅さん、ぼくの寅さん”に寄稿された倉本美津留さん(放送作家)。この映画を作るために49作があったのではないか？図らずとも50年という歳月をかけて世界エンタテインメント史上唯一無二の世紀の大傑作が誕生した。ノスタルジーとアバンギャルドのアウフヘーベン。そんなありえない奇跡を齢88歳の少年がこの世に現象させた。そこには誰もが声を出して笑って、涙を流して泣いてしまうという最高の普遍がある。なんという出来事だ！若者よ！まずはこれを見よ。さすれば1作目から巡りたくなる。ああ！なんて贅沢なプレゼントなんだ！と、おっしゃっていた。なんということだ！私も贅沢なプレゼントを受け取っていたのか！17作目から入り、50作目を観て、この世界(という沼)にハマった人間。元を返せば、50作目の感想で興味を持ったのがきっかけで、50作目は劇場で鑑賞出来た。で、とうとう49作観た上での50作目の初鑑賞で、何を思うのか？どう感じる？のか、楽しみです！
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’24年1月10日 八代亜紀さんの訃報を聞いた。まさか昨年の暮れに難病で亡くらられたとは... 私の姪(姉)と命日も一緒だし、難病という共通点があると知ってより苦しくなった。コメディでも映えるし、「男はつらいよ」の特別編で八代さんのOP曲最高で、欲しいと思いめっちゃ探した記憶が蘇りました。唯一無二の歌声をまた聞けたいです。長年お疲れ様でした。そしてありがとうございました。天国でも歌声を響かせて下さい。ご冥福をお祈りします。
