じょの

男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇のじょののレビュー・感想・評価

3.0
下町を舞台とした人情話であることから、ベタなロードムービーと思われがちだが、あにはからんや『男はつらいよ』は、実にスマートな構成でできているのだ。脚本に無駄がなくテンポがよい。ギャグもおもしろいし、キャラクターが全員立っている。
シリーズは第48作まで続き、もし渥美清が生きてたら、まだまだ撮るつもりだったはず。正月に寅さん映画を楽しみにしていた老人は、何も郷愁とか惰性で見てるわけではなく、“おもしろいから”見てるのだ。おもしろくなきゃ、ここまで続けられない。まさに神シリーズ。

私、日本の監督で山田洋次作品が、一番好きなスタイルかも。
普通の人が見て、普通に面白いエンターテイメントが撮れる監督。
簡単なことじゃありませんよね。

かのイギー・ポップも、『男はつらいよ』のファンだそうで(最初の妻が日本人であったため、同シリーズを知ったらしい)日本でインタビューを受けた際、イギーはインタビュアーに「きみは『男はつらいよ』を知ってるか? なに? 知らないだと? あれは最高のロードムービーだぞ!」と言ったとか言わないとか。さすがイギー。見る目あるね。
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