イチロヲ

小人の饗宴のイチロヲのレビュー・感想・評価

小人の饗宴(1970年製作の映画)
3.8
施設に収容されていた小人たちが、人生の意味を問いただすべく反乱分子となり、極めて小規模な騒動を巻き起こす。小人による小さな革命を、痛快なミニマム劇として描いている人間ドラマ。

主人公の小人たちの自由奔放な生活風景をひたすら追っているだけの内容なのだが、本編内には計り知れない訴求力が備わっている。

小人たちは、年齢的には中年だが、子供のような声でキャーキャーと騒ぐため、彼らの行為が他愛のない児戯のようにも見えてしまう。そういうところに、名状しがたい異様な世界観がある。

私が本作から受けたインパクトは、いわゆる「憧憬」というものに他ならないだろう。私が社会に取り込まれてから失ってしまった、自由・仲間・無邪気さというものを、本編の小人たちは奔放な生活の中で取り戻していく。そこに、並々ならぬ「憧れ」を痛烈に感じるのだ。

リーダー格(?)の小人がしきりに「Besteh!Besteh!」と叫んでいる件について。グーグル大先生に訊いてみたところ、これは「存在します」という意味らしい。