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ヒューマンネイチュアの一人旅のレビュー・感想・評価

ヒューマンネイチュア(2001年製作の映画)
3.0
ミシェル・ゴンドリー監督作。

『マルコヴィッチの穴』(1999)、『アダプテーション』(2002)、『エターナル・サンシャイン』(2004)の天才脚本家:チャーリー・カウフマンが脚本を手掛け、彼の盟友であるスパイク・ジョーンズが製作に名を連ねた風刺コメディで、本作はビョークやローリング・ストーンズ等の大物アーティストのミュージックビデオを手掛けてきたMTV界の寵児:ミシェル・ゴンドリーの長編監督デビュー作となっています。

異常に毛深い女:ライラとネズミにテーブルマナーを教える博士:ネイサンは、森の中で自分のことを類人猿だと思い込んでいる野生児:パフと出会い、彼を研究所に連れ帰り人間の文明を教え込んでいくが…という風変わりな風刺コメディです。

野生児の文明化という上から目線な博士の行状を通じて、文明という皮を被った人間のエゴと根源的な本能と欲望を皮肉的に浮かび上がらせていく文明風刺喜劇で、ティム・ロビンスが独善的な博士を演じているほか、パトリシア・アークエットが先天的に毛むくじゃらな不憫なヒロインを、ミランダ・オットーが猫かぶりな美人助手を妙演しています。そして、博士の実験により類人猿から文明人へと変貌を遂げる野生児をリス・エヴァンスが怪演していて、性的欲望を抑え切れず女性に抱き着き腰を振りまくるという過激な立ち回りが鮮烈であります。
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