※テレビシリーズ(シーズン7まで)の内容も含みます。
■テレビシリーズとの比較
テレビシリーズを見始めて思ったのは「やっぱりこの映画、ストーリーはまるで面白くない」ということ。
テレビシリーズなら約20分×3話で済ますような内容を長めにやってるだけ。しかも、シリーズの中ではさして面白くない方の。
ストーリーもだけど、映像的にも「映画ならでは」というのは無く、「プレビズか?」と思ってしまうシーンもあった。
アソーカがアナキンのパダワンとなる重要な作品ではあるが、そこまで印象的な描写もなく、あっさりと「パダワンになることになりました」という感じ。
ジャバの息子、ハット族に焦点を当てるのはテレビシリーズ開始前と考えれば興味深いかもしれないが、全体的にはテレビシリーズを見れば見るほど微妙に感じてしまう。
■「クローン・ウォーズ」に対する印象
テレビシリーズは2014年までにシーズン6まで製作されてはいたものの、敬遠してしまっていた。
理由としては単純に「スター・ウォーズ」への熱量と、「クローン戦争」自体への興味の問題。
あとは、実写では一言も言及されていないアソーカや『ファントム・メナス』で死んだと思われていたダース・モールの活躍が本作へのアレルギーの要因となっていた。
■「スター・ウォーズ」世界の拡張
これが見始めると、めちゃくちゃ面白いし、興味深い。
プリクエルだけでなく、サーガ全体からの要素の取り込みが行われており、エピソードごとに主人公が変わることによって、様々な視点から「スター・ウォーズ」が楽しめるようになっている。
シーズン7までに及ぶ物語はその後の「バッド・バッチ」シリーズや「マンダロリアン」シリーズに繋がり、本作は「スター・ウォーズ」を次なる段階へ引き上げた。
2010年代以降「スター・ウォーズ」にとっての最大の幸福は『フォースの覚醒』ではなく、「クローン・ウォーズ」シリーズがあったこと!それは間違いない。
また、映画だけ見ると分かりにくかったジェダイの暗部が描かれている。
何かにつけて「暗黒面が〜」とか言ってるわりに目の前の脅威(シディアス)に気が付かないのはあまりに滑稽。
シディアスが上手なのは確かだけれども、ヨーダやメイス・ウィンドゥあたりの責任は重い。
その極め付けは「シーズン5」のアソーカ追放…なんだけど、あれはジェダイを過剰に悪者に仕立てあげようとするエピソードに感じてしまった。もう少し間接的な方法や、微妙な塩梅で見せて欲しかったところではある。
■否めない後付け感/アソーカは本当に実在したのか?
『シスの復讐』の後に作っているけれど、違和感がある部分も多い。
『シスの復讐』を見ると冒頭のドゥークーのセリフは『クローンの攻撃』での対戦以降、戦ってこなかったかのように感じる。
(シリーズ作品としては前作である『クローンの攻撃』を意識しているのは正しいが)
「クローン・ウォーズ」ではドゥークーと幾度も戦闘を行ってきているし、どうしてもそういう構成にならざるを得ない。
当然、製作側も分かっているだろうけれども、そんなことを言ってられないのも分かる。
マンダロア封鎖戦とオーダー66が描かれ、『シスの復讐』と連動する「シーズン7」なんかもう、めちゃくちゃ面白い!
でも『シスの復讐』を見てもアソーカの影なんか一切感じられないし、そうなると「クローン・ウォーズ」のキャラクターは本当はいなかったんじゃないか?と感じて、ちょっと悲しくなってくる。
あと、なんでボバは父親のマスクを爆破してしまったの?これはわざわざやらなくて良かったんじゃ…とりあえずジャンゴ・フェットのヘルメットはスペアがあったということで納得しよう。
■好きなエピソード10選
シーズン1 第10話「グリーヴァスのアジト」
グリーヴァス将軍の宮殿を舞台にキット・フィストーとその元パダワンであるモン・カラマリのナダール・ヴェップが活躍。
グリーヴァスが機械になる前の若き日の姿が彫刻で見れるのがレア。
シーズン2 第10話「逃亡者」
脱走兵から「クローン兵とは何か」を考える回。
めちゃくちゃ渋い。
最新シリーズ「バッド・バッチ」でも扱われる重要エピソード。
シーズン2 第21話「絆」
R2-D2vsボバのバウンティ・ハンターチーム戦。
R2がアナキンとメイス・ウィンドゥを救う為に奮闘する。
ボバがジャンゴのヘルメットを爆破するのはこの回!
シーズン3 第1話「トルーパーへの道」
エコー、ファイブス属するドミノ分隊を通して、クローン兵の育成過程が描かれる。
シーズン3 第2話「誇り高き兵士たち」
カミーノに戻った501大隊の故郷を守る戦い。
シーズン4 第22話「復讐の狼煙」
モール&オプレスvsケノービ&ヴェントレス戦。
モールがオビ=ワンにナブーでの恨みをついにぶつける。オビ・ワンとヴェントレスがタッグを組むのもアツい。
シーズン5 第14話「悪の同盟」
モールが悪のテッペンを目指して突き進む、「クローズZERO」のような、成り上がり爽快エピソード。
シーズン5 第15話「仕組まれた救世主」
モールvsプレ・ヴィズラ戦。
ダーク・セイバーとマンダロリアンについてはこのエピソードを参照されたし。
ドラマ「マンダロリアン」シリーズを見る上でも重要。
(特にシーズン2の内容に関わる)
シーズン5 第16話「歪みゆく惑星」
モール&サヴァージvsシディアス戦。
絶好調のモールがシディアスと対決。アニメ版だと二刀流のシディアス卿。
そして、サティーン公爵とオビ=ワンの切ないエピソードでもある。
シーズン7 第9話「忘れがたき旧友」
ついにアソーカが501大隊に帰還。もうジェダイでは無くなったけれど、クローン達、そしてアナキンとの変わらない絆が描かれる。
特にアナキンと言葉を交わす最後の場面が切ない。
マンダロア封鎖戦も開幕。