緩やかさ

美しき諍い女(いさかいめ)の緩やかさのレビュー・感想・評価

5.0
思ったより真面目な映画だった。
人間の理性と本性、芸術とは何かを問う。
現代だとこの決着はなかなか成立しないだろう。時代性もあり、昇華した帰結となる。

始まって1時間、画家が絵を書き始めるあたりでなぜこの映画がこんなにも長尺なのかが判明する。

全てのカットに意味があり、物語は丁寧に描かれ親切だ。音楽は最小限で、ライトはしっかりと照らし、カメラは的確に動く。
自分はリヴェット作品と相性が良さそうだ。

登場人物の服装のせいだろうか、プロヴァンスにはもちろん行ったことはないのだけど、終始強烈な懐かしさを感じる。
まるで実家のような安心感。
こういうのでいいんだよ。
(さいきん覚えた言葉)
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