母親の幻聴に縛られているマザコンの中年男が、殺害した女性の頭皮を剥ぐという、猟奇行為に手を染めてしまう。悪役俳優ジョー・スピネルが製作している、スラッシャー映画。「ゾンビ」のトム・サヴィーニが、特殊メイクを担当している。
スプラッターが見どころになっているため、頭皮を剥ぐシーンはもちろんのこと、ライフルで頭蓋が破壊される描写も映像に収めている。また、絞殺の場面においても「人間はそう安々と死なないこと」を演出しているため、猛烈な嫌悪感に見舞われる。
とりわけ、主人公が居住する室内シーンが奇妙かつ滑稽であり、常人には思いつかないフリーキーな雰囲気作りを堪能することができる。「こいつはやべぇ…」という悪夢的感覚が、ビンビンに伝わってくる。
だが、主人公の人格形成にマザコン心理が関わっていることは、後半部まで隠しておいたほうが良かったと思う。そのほうが、グロテスク感覚が倍増しになっていたように感じられる。