イチロヲ

マニアックのイチロヲのレビュー・感想・評価

マニアック(1980年製作の映画)
3.5
強度のマザー・コンプレックスを抱えている巨漢の中年男が、頭の中で聞こえてくる声に抗うことができず、女性の頭皮を剥ぐという猟奇的殺人事件を引き起こしていく。数々の悪役を演じ続けてきたジョー・スピネルが製作したスラッシャー映画。特殊メイクは「ゾンビ」で名を馳せたトム・サヴィーニ。

スプラッターが最大の見どころになっているため、人間の頭皮を剥ぐシーンはもちろんのこと、ライフルで頭蓋が破壊されるグロテスク描写も、ちゃんと映像に収めている。また、絞殺する場面においても、「人間はそう安々と死なない」ということを描いているため、猛烈なリアリティを感じ取ることができる。

個人的に、主人公が居住している部屋の室内シーンが楽しくてしょうがない。常人には思いつかないフリーキーな部屋作りの中で、変質者である主人公が様々な奇行に及ぶ。「こいつはやべぇ…」という悪夢的感覚がビンビンに伝わってくるのが、とにかく楽しい。

そんなこともあって、主人公がターゲットの女を追いかけまわすシークエンスが始まると、「さっさとその女を殺して室内シーンに移行してくれないかなぁ」なんていう思いが沸々と湧いてきてしまう。

あと、主人公の精神状態にマザコンが関わっていることは、ラストまで隠しておいたほうが良かった思う。そのほうが、作品の気持ち悪さが倍増しになっていたように感じる。

ちなみに、私はブライス人形をカスタム(いわゆる改造)するときに、「人形の頭皮をめくる」という行為をする。「変質者の奇行」という表現を前文で使っているけれど、カスタムのために人形をバラすのも、見ようによっては奇行なんだよなぁ。