明石です

ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたりの明石ですのレビュー・感想・評価

5.0
死者を蘇生する新薬を開発した天才医学部生が、大学病院の死体安置室で研究をしていたら、学部長にバレてしまい、彼を殺害し新たな実験台にするも笑、さらに厄介な教授が現れ、研究を横取りされそうになる話。

HPラヴクラフトの小説『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』の映画化作品で、元は地方劇団の芸術監督だったスチュアート・ゴードンが、映画監督としてデビューした記念すべき1作目、、しかしRe-Animator(蘇生者)というカッコ良すぎるタイトルからは想像もつかない、最高に突き抜けたホラーコメディでした笑。

主人公ウェストは研究のためなら人を殺すのも厭わない完全なるマッドサイエンティスト、、なのだけど、彼のライバルにあたる医学部教授の方が遥かにヤバいサイコパス。医学生ウエストの天才的な研究を知った彼は、友人である学部長にロボトミー手術を施して自分の手下にし笑、ウェストの研究を横取り。しかもその動機が、有名になりたいから、という同情のカケラも湧かない俗悪すぎる大馬鹿者。しかし怒ったウェストに首を切断され、あっけなく死亡かと思いきや、、

しかしもちろんそこはRe-Animator!!新たな実験台が手に入ったことにむしろウェストは大喜びで薬を投与。ところが、なんと蘇生薬で生き返った教授は、バーバラ・クラプトン演じる学部長の美しき娘を拉致して拘束、素っ裸にし、首の取れた胴体に自らの頭を抱えさせ、彼女の裸体を舐め回すという最恐のエロシーンに発展、、しかもその前段階から、彼女の髪の毛やナプキンを密かに収集していたという図抜けた変態っぷりが明らかにされる教授、、本当にヤバイ映画なのです。研究に熱心すぎるあまり倫理観を欠いたウエストと、俗物すぎるサイコパスの教授。凄い対決構造だ。

話によると100リットル近くの血糊が使われているという本作が、全然スプラッター映画に見えないのは、終盤以降のトンデモナイ変態要素のおかげかもしれない笑。そしてラストの、死体安置室を舞台にしたゾンビ大乱闘は最高に可笑しくて、すでに首が取れたどう見ても瀕死の教授に、ウエストが、これでも食らえ!と叫び謎の薬をさらに注入した結果、教授の暴れ出した内臓や腸に巻きつかれて大往生(ここで私は大爆笑)。彼らの生死がどうなったのかはあえてボカされてますが、おそらく続編に引き継がれているのでしょう。

しかし「死霊のしたたり」とは凄い邦題だなあ。死霊は液体だったのか、、あるいは液体化する前の気体か。それから、どこをどう聴いてもバーナード・ハーマンの超有名なアレにしか聞こえない主題曲は、本作の作曲家曰く「サイコの曲に着想を得た」とのこと。アレンジじゃないのね、、笑。とはいえ、このパクリ感が癖になりそう。続編でも聞けるとよいのですが。
明石です

明石です