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『世界の終り』に投稿された感想・評価

3.6
【世界の革新】

『鉄路の白薔薇』や『ナポレオン』で知られるアベル・ガンスの本格トーキー。第二次大戦前の不景気感と終末観が特徴のカタストロフが綴られるパニック映画になっている。

まさに『アルマゲドン』な『エヴァンゲリオン』!という感じの終末ディスカッションという感じの珍作である。面白くはないが、終末に向かってアタフタする人間たちの集団パニック、ヒステリーなどが必死こいてて笑える一作。

ディカプリオ主演で『ドント・ルック・アップ』という変なコメディもあったが、世界的に不景気になると世界を終わらせて初期化する…みたいな破滅願望が沸き起こってくる普遍的な【革新】を描いた映画なのかな〜、と。言いたいことはそんだけ!!
「ナポレオン」(1927)のアベル・ガンス監督が次に手掛けた初トーキー映画。世界初の超大作隕石ティザスターSF。原作はフランスの天文学者でSF作家のカミーユ・フラマリオンが書いた同題SF小説(1894) 。同原作の「Verdens Undergang(世界の終わり)」(1916:デンマーク製作)のリメイク※詳細は後述。

キリストの磔刑が厳かに演じられているパリ・ノートルダム大聖堂。イエスを演じた芸術家のジャン(アベル・ガンス)は、信仰による戦争回避を志し恋人ジュヌヴィエーヴと別れようとしていた。一方、兄の天文学者マルシャルは、巨大彗星が地球に向かって突進している事を発見した。地球への激突は2ヶ月後。この混乱に乗じて株価を操り富を得ようとする腹黒い銀行家は、エッフェル塔からの危機情報発信を巡って兄マルシェルたちとで攻防を繰り広げる。。。

冒頭のキリストのシーンからガンス監督ならではの幻視的な映像演出でワクワクする。巨大天文台のセットは巧妙に作られ(本物でのロケかも)SFのムードは満点。彗星接近による天変地異は自然災害のニュース映像を組み合わせて表現し、そこに世界各宗教の祈祷の光景が挟まれる。

エッフェル塔の上層部階段でのロケは初めて観るものでとても好みの映像。週末前夜、厭世的になり乱交パーティーを繰り広げる富裕層の描写で再び幻視的表現が用いられ、そこに立ち現れる神の使者たちの姿はもはや現実なのか幻覚なのか判らない。各国代表会議で提案される新たな世界憲法の制定。第一条は万国共和国の設立、第二条はヨーロッパ連邦の組織。しかし会議場は天災で崩壊する・・・。

ガンス監督の壮大で大袈裟な作風が極まった一本で個人的には楽しめた。1930年にしてこのスペクタクル描写は先駆的と言える。情報操作による世論誘導には昨年の日米両選挙を思い出させ、100年近く前の本作の時代から大衆は変わらないのだと再認識。

しかし、元々は3時間以上あったものが映画会社によって半分以下にカットされたため監督自身は不満な作品とのこと。またフランス批評界からも演出が前時代的だと酷評を受けた。同年はルネ・クレール監督の初トーキー「巴里の屋根の下」(1930)が公開されフランス詩的リアリズムが幕を開けた。それに比べたら本作の表現主義的な作風が野暮に見えるのは解る。

双葉十三郎は本作の同時代批評として「ひとりよがりになりすぎたのではないか」と腐している。全くその通りだと思うが、ひとりよがりの中二病的な情熱こそガンス監督の持ち味ではないだろうか。

ひとつ気になったこと。ガンス監督が演じる弟は、「聖書」と無政府主義者クロポトキンの「相互扶助論」(1902)に理想を見出していた。その遺志を継いだ兄は万国共和国の設立を高らかに宣言し熱狂的な拍手を浴びる。この光景に既視感を憶えて、思い出したのは「意志の勝利」(1934)だ。本作が公開された1930年、ドイツではナチ党が第二党となり躍進中だった。前1929年に起こった世界恐慌の中、終末ビジョンが横行しカルトが発生しやすい時代だったのだろう。本作のベースが「聖書・黙示録」なのは自明だが、そこに理想主義が掛け合わせれているため、カルト宗教の教義映画との類似性は高い。キリストをうっとりと演じたガンス監督自身にもカリスマ志向が感じられる。

※本作のリメイク元となった映画がFilmarksに記載されていないため以下にMEMO。

■「Verdens Undergang(世界の終わり)」1916年製作
製作国:デンマーク 上映時間:77分 ジャンル:SF 
監督August Blom
脚本Otto Rung
出演者Olaf Fønssオラフ・フエーンス 他

世界初の終末論的ティザスターSF。主演オラフ・フエーンスはフリッツ・ラング×ハルボウ脚本の大作「インドの墓」(1921)で主演を務めた人物。

鉱山所長の二人の娘。姉ディナには資本家のストール(オラフ・フエーンス)、妹エディスには実直な船乗りレイマーズという恋人がいた。ある夜、天文学者ワイズマンは地球に向かってくる彗星を発見し公表する。世界終末の危機に世間が混乱する中、資本家ストールは株を買い占め富の独占していく。いよいよ彗星直撃の前夜、ストールは大邸宅に富裕層を集め贅沢なパーティーを開く。そこに貧困に窮した鉱山の労働者たちが押し掛け大混乱となり、ストールは姉ディナと共に地下通路から脱出を図る。一方、妹エディスは船で沖へ出た恋人レイマーズの無事を祈り続けていた。。。

「イントレランス」(1916)と同年にこれほど完成度が高く豊かな映画がデンマークで作られていたことに驚いた。同国のカール・テオドア・ドライヤー監督が“子供の頃に他国の映画を観たことはない。なぜなら当時のデンマーク映画は質量ともに世界最高だったからだ”と語っていたのをようやく実感した。ティザスターSFとしての特撮技術は後の映画と比べるまでもないが、撮影の画角、編集、美術ともに当時のハリウッドやドイツと比べて遥かに洗練されている。終盤の地下道シーン、廃虚となった街、海辺の教会で鐘を鳴らし海から帰ってくる恋人と再会するラストと、セットとロケ撮影を使いこなして印象深いシーンに仕上げている。

資本家と労働者の社会批評を含むシナリオも興味深い。本作は第一次世界大戦(1914~1918)の真っただ中に制作された(デンマークは中立国)。1910年にハレー彗星が地球に最接近した時の終末ムードも反映されているようだ。

デンマークでは1906年に世界で最初のメジャー映画会社ノルディスク社が設立され1910年代に黄金期を迎える。しかし第一次世界大戦後にドイツ表現主義映画とスウェーデン映画が急激に盛り上がり、ドライヤー監督が「裁判長」(1918)でデビューした頃にはデンマーク映画はすっかっり衰退していたとのこと。

黄金期のデンマーク映画、少し調べただけでも凄そうな作品がゴロゴロと見つかった。少しずつ観ていきたいし、本作も字幕をしっかり読まずに観たのであらためて鑑賞したい。
2.5
【I Don't Want to Miss a Thing】
アベル・ガンスが『アルマゲドン』みたいな作品を撮っていることを知り鑑賞。隕石ものの先駆けといった作品で、巨大隕石が地球に迫っていく恐怖を多重露光や特撮で表現しようと試みている。正直なところ、流石のアベル・ガンスも苦戦しているように思えて、序盤は退屈に感じた。

しかし、巨大エレベーターの落下から万策尽きた感が滲み出て、そこから動物、人間、災害に廃墟を怒涛のように提示していく終末描写はスペクタクルとして観応えがあった。

B級『アルマゲドン』映画よりは演出に手数があるんじゃないだろうか?これは検証する必要がありそうだ。