えーちゃん

死刑台のメロディのえーちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

死刑台のメロディ(1971年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1920年のサッコ・ヴァンゼッティ事件を描いた映画です🎞️

1920年のアメリカで起きた強盗殺人事件の犯人として、イタリア系移民のサッコとヴァンゼッティが逮捕される
彼らは無実を訴えるものの、移民や無政府主義者、共産主義者に対しての反感感情も相まって彼らは敗訴、極刑となる…

史実と映画はここまでなのですが、事件から先100年の結末を知っている身としてはなんとも複雑な思いです…

事件が起きた1920年代
映画が作られた1970年代
そして私が映画を観た2020年代

まず、事件の冤罪に関しては決して許されるものではないというのは大前提として、、、

移民に関しては現代日本を含めた世界中で問題になっていますよね
反日感情がある海外からの移民と、本作で描かれている反アメリカ感情を持つイタリア移民がどうしてもダブって見えていました。
1970年代のイタリア人視点で作られている本作は当然ながら自国からの移民への差別を非難しています。
しかしながら、今の日本はこの時のアメリカ側と同じ状態なんですよね。

そして本作ではアカ排斥やアナキストに批判的なアメリカを悪者に描いています。
1970年代は東西冷戦状態でしたので、一方的に排除しようとしたアメリカ保守の悪い一面を描いています。
しかし、現代視点で見ると東側諸国は酷い有様だったということも事実です。
そして、1920年代から自由民主主義を掲げていたアメリカが世界の盟主になっているのです。
当時アメリカが甘い対応をしていたら今日のアメリカ中心の世界が作られていたのかは何とも言えないですが、冷徹とも思える対応が現代のアメリカを形作った可能性はありますよね。

50年刻みで今日の自分まで繋がるストーリーで本当に考えさせられる映画でした🎞️