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レスラーのmuuのレビュー・感想・評価

レスラー(2008年製作の映画)
3.2
引退間近の中年レスラーの物語。この内容で起死回生のスポ根感をほぼ感じず、むしろ不器用な男の虚しさを痛いくらいに感じるあたり、さすがダーレンアロノフスキー監督の作品だなと思いました。しかし、これまで私が観た監督の作品に比べると、本作はテーマにあまり関心が持てなかったので残念ながら思ったよりはハマれませんでした。プロレスって私はキン肉マンくらいしか連想できず、全然知らない世界だったのですが、あんなにも正義と悪がハッキリとしたまるでショーのような段取りがあるのに驚きました。だからこそあそこまで観客も一体となって盛り上がれるのか。血塗れで戦う様はすごく痛々しくて、正に命を削ってリングに立つという凄味がありました。あの刺激、興奮、歓声があるからこそ日常には帰れないのだろうなと、主人公の最後の言葉はなかなかグッときました。主演のミッキーロークについて少し調べ、彼が演じることの意義や背景を踏まえた上で観るとさらに楽しめ、感動できる作品なのですね。


ヒロインとの会話や娘との心に刺さるシーン、激しい試合の様子など印象的な場面がいっぱいあったはずなのに、個人的にすごく印象的な場面がポテトサラダの量り売りに細かいおばさんがメンタルをガンガン煽ってくるところだったのは何でだろう…。あのおばさんのキャラは強烈でしたw
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