4423

ニュールンベルグ裁判の4423のレビュー・感想・評価

ニュールンベルグ裁判(1961年製作の映画)
4.5
ナチス・ドイツの司法関係者たちを裁いた国際軍事裁判、ニュルンベルグ裁判を元にした作品。

長い!重い!180分!この言葉だけで本作がどんな映画なのか分かるだろう。基本的に80分くらいの作品が大好物な私は、尺が120分ともなると吐き気が催してくるわけだが、この作品は驚異の180分という長尺。しかしこの3時間という時間は決して無駄ではない。

スペンサー・トレイシーをはじめマクシミリアン・シェル、リチャード・ウィドマークらの演技合戦、そしてバート・ランカスターの圧倒的な存在感にただただ引き込まれるばかりだ。

証人として法廷するジュディ・ガーランドとモンティの演技も本当に素晴らしかった。この二人の出演は短いながらも強烈に焼きつく。そしてガーランドとモンティ、晩年はアルコールとドラッグの中毒症状に体も心も蝕まれていたという共通点が見えて悲しくなってしまった。

また重苦しい法廷シーンだけでなく、その外側も適度に描かれているのがいい。

途中挟まれる死体の山をブルドーザーで運ぶ、木切れのように積み上げられた死体といったホロコーストの記録映像は相当にショッキングだが、このようなことが人間の手で行われていたということを知らなかったの一言ではすませられない。問題は殺すことでなく、死体の処理なんだという言葉に体の震えが止まらなかった。
4423

4423