ニュールンベルグ裁判の作品情報・感想・評価

「ニュールンベルグ裁判」に投稿された感想・評価

ねぎお

ねぎおの感想・評価

4.1
いわゆる「東京裁判」のドイツ版ですね。実際に行われた裁判。


この映画を観て、戦争のことやらいろいろと書いては消し書いては消し・・。

ナチスが行った虐殺を、「こんなことはなかったんだ、そうだ、お前はアイヒマンと収容所を管理していたんだよな、こんなの不可能だと言ってやれ」という男が出てきます。そして「可能だよ」と言われて無言になるその男。

戦後の裁判ですらいるわけです。
今の日本にいてもおかしくはありません。

もうなんだか気が滅入ります。

この映画の最大のみどころは後半、被告人である元法務大臣ヤニング(バート・ランカスター)の証言シーン。圧巻です・・。映画史に残すべき名シーン。
バート・ランカスターは「フィールドオブドリームス」でドクターを演じました。これもまた素晴らしい存在感でした。
「ヒトラーだっていいこともしたんですよ。アウトバーンを整備して、雇用も増やして。悪いことばかりじゃなかった。」

数十年後に今の日本の政権を振り返ったとき、似たようなことを言ってなければいいのだけれど



キャストが恐ろしく豪華だけれど、やはりバート・ランカスターの存在感が圧倒的
ラストシーンで溢れた本音こそ、本作の最重要部分

しかし落ち込む内容です...
0y0

0y0の感想・評価

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日仏伊映画界が黄金時代に突入、ベルイマン、サタジット・レイらが世界の映画地図を書き替えるなかこのしんどさ。アカデミー賞にキネマ旬報と評価されたようだけど公開当時の観客も古臭い映画だと思ったのではないか。海の沈黙、十二人の怒れる男、突撃、二十四時間の情事とニュールンベルグ裁判以前の大変優れた反戦、密室映画を考えるとスタンリー・クレイマーの演出は軍法会議ものの退屈さ。ハリウッドリベラル的配慮(迷い?)からマレーネ・ディートリッヒにドイツ人の声を代弁させ、メロドラマ的要素を加えるという愚行に走らず、ありとあらゆる技法を駆使した全編裁判劇くらいの大胆さが欲しかった。映画観て久々にガックリ。トリュフォー他ヌーヴェルバーグ一派が社会派の皮を被ったつまらないハリウッド映画を断罪してB級映画を称賛した気持ちよくわかる。
もちこ

もちこの感想・評価

3.5
1948年
ドイツ ニュールンベルグ

終戦から2年
“法の名の下に犯した罪”を裁くため
判事の目線でそれぞれの立場が描かれ
一筋縄ではいかない心情に心打たれます

詳細を知らずに
加担していたことの恐ろしさ

けれどそれは詳細を
知ることが怖かっただけ…
そうですよね…
実際に何が行われていたかなんて
多くの人たちが
知りたくなかったことだと思います


それぞれを個人として捉えると
正義はどこにあるのか
正直、分からなくなってきます


ヤニング博士…

嗚呼…
複雑な思いが胸を駆け巡り

ただただ深いタメ息だけが
余韻とともに残ります…
文句なしに傑作。十二人の怒れる男以上の法廷ドラマ。
テーマはニュルンベルグだが、ただしゲーリングなどトップではなくナチスの法務大臣以下法律家に関する裁判。
ハリウッドが作ったナチスをテーマにした映画のなかでは最も真摯にかつ良心的な映画だと思う。それでもアメリカの独善性は消えないのだが。
役者も超一流。
スペンサートレイシーにパートランカスター、さらにマレーネディートリッヒまででてるゴージャスさ。
アメリカの良心と正義と司法の信頼が今ぐちゃぐちゃになってる時にみると感慨深い
第二次世界大戦終結後、ドイツのニュールンベルグにてナチスの戦争犯罪を裁く国際軍事裁判が開かれた。俗にニュールンベルグ裁判と呼ばれる。ただし、この裁判には続きがある。米軍は先の裁判で裁かれなかったナチス戦犯を裁くために12の軍事裁判を開いた。名称はニュールンベルグ継続裁判である。

映画で描かれている裁判はこの継続裁判を基にしている。被告はエルンスト・ヤニングら4人の法律家である。地裁判事であるヘイウッドが裁判長に、米陸軍のローソンが検察側に、そして、ロルフが弁護側に任命され、この裁判に挑む。

この映画で問われているのは戦争責任の所在である。ローソンは責任は当事者であるナチスにあると言うが、ロルフはナチスを台頭させた周辺国やドイツ国民にも責任は無いのかと弁を振るう。特に、被告の代表であるヤニングはドイツ国内で著名な法学者であり、ヒトラーに批判的であった為、論争は複雑になっていく。

もう一つの着眼点は、ヘイウッドと未亡人のベルトホルト夫人に戦勝国側と敗戦国側の役目を負わせていることだろう。ベルトホルト夫人は夫が米国軍に戦犯として処刑された過去をもっている。それ以来、米国人に憎しみを抱いていたがそれだけでは生きていけないことを悟っている。これは当時のドイツ国民の心情ではないだろうか。

監督のスタンリー・クレイマーは法廷劇を通して、第三帝国を批判的に描いている。そう考えると、ホロコーストの記録映像や断種法の被害者の証言も効果的だ。
ベテラン俳優たちのいぶし銀の演技も良い。特に、スペンサー・トレイシーとバート・ランカスターがいい味を出している。
最後の最後で初めて人間っぽい台詞を吐いてしまったヤニング先生、言わなきゃ良かったと後悔必至!
切れっ切れの弁護人、母の写真を見つめるペーターゼン証人、リリーマルレーンを語るベルトホルト夫人、フェルデンシュタイン事件のホフマン夫人など伝説の役者演じるサブエピソードの数々も脳裏に焼き付いてます。
"裁判"というものを3時間みっちり目の当たりにした。内容に聞き逃すところがなく、鑑賞時間があっという間に過ぎて行った。「これ本当に映画?本物の資料映像でしょ?」と錯覚してしまうほどの迫力。

<劇中のヘイウッド裁判長の言葉>
「この法廷が必要だと思うのは、正義であり、真実、そして人間の命の重さです。」

これはニュールンベルグ裁判だけではなく今日の全ての裁判に共通していると思う。裁判とは→"人間の人生そのものを左右するもの"だと最も感じた作品であった。
ジュディ・ガーランド!
目の輝きはそのままだけど、すっかりおばさんになって…
廣野

廣野の感想・評価

3.8
一応、フィクションという体での映画ではあるが、ほぼ実際の裁判を元に制作された映画。
ロルフ弁護人の言葉も、決して聞き逃せないので考えさせられました。

最後のヘイウッド裁判長の言葉が心に残りました。
ヤニング「私は殺された何百万人のことは知らなかった」
ヘイウッド「あなたが無罪と知りつつ、死刑にしたのが始まりです」

これは、フェルデンシュタイン事件を判事として扱い、死刑判決を下したことについて言及しています。
フェルデンシュタイン氏の裁判はわずか2日、裁判をする前から死刑判決は既に決まっていた。
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