実際にあった連続猟奇殺人事件をモチーフにしたサスペンスでコンサートのためテキサスの田舎道を車でぐうぜん通りかかった男女5人が未曾有の恐怖に襲われる。初見。言いたいことはあれど、殺人一家に取り込まれるシチュエーションなり悪が支配する設定に、呑まれる。フランチャイズの位置付けは１９７４年に公開されたトビー・フーパー監督の伝説的作品『悪魔のいけにえ』のリメイク。端的に７４年版からキャストや世界観の一新により観やすくなったというのが、リメイクした甲斐の最大の収穫。レザーフェイスの不意の襲撃により歯車があれやこれやと狂いだす雰囲気も、オリジナル版を踏襲した味わいだとおもう。後を引くようなスラッシャームービーというより、ドラマやアクション部分に振り切った余韻。ひとり目の犠牲者の活躍を顔ぞろいからも期待してたので、序盤で拉致られた瞬間に大爆笑した。主人公のヒロインの言動が合間合間で首を傾げるシーンが占めたのはやや減点。テキサスの荒涼感と殺風景な不気味感はやはりいつ観てもいいですねえ。
