Hobbs

沈黙の聖戦のHobbsのネタバレレビュー・内容・結末

沈黙の聖戦(2003年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます




二千年の歴史を刻み受け継がれてきた恐るべき暗殺拳があった。その名をセガール拳!
天空に連なる七つの星の下、一子相伝のセガール拳を巡って悲劇は繰り返される……。


セガール in BANGKOK!!


今やロシア外務省公認の米露交流特使。…が、それは世を忍ぶ仮の姿。ヤツの正体は他ならぬセガール拳創始者スティーヴンセガール!
御歳66歳のセガールが今回聖戦の地として選んだバトルステージは異国の首都バンコク。セガールの分厚くて硬い拳が微笑みの国タイ王国から微笑みを奪い去る!

「戦争だけは避けたい」、口ではそう言いながら映画開始僅か30秒足らずで沈黙の聖戦を開戦してしまうセガール特使。
オープニングの短い時間の中でとても微笑んではいられない記録的犠牲者数を叩き出すセガールだがこれはこれから始まる沈黙の聖戦本番へのほんのストレッチ運動にすぎない。

セガールが沈黙の聖戦で大忙しな頃、バンコクへ彼氏と旅行中だったアメリカ人大学生ジェシカが現地のテロリストに誘拐された!
「パパみたいなカッコいい男になってね❤︎」の言葉も虚しく何の役にも立たぬまま彼氏即射殺。
人質でアメリカ政府を脅し身代金を毟り取ろうとする至ってオーソドックスなテロ活動を行う凶悪なテロリスト達。……だったが!
テロリスト側は自分達の情報収集の甘さに気付いていなかった。
……ジェシカの父親はセガールだった。

この事実がテロリスト達に与えるメンタル面への絶望的ダメージが如何程のものかは幼稚園児でも察しはつくであろう。。。

いつもと変わらない、ワンパターン、普段通り、進歩がない、セガール顔デカい、誰にも迷惑はかけていないが誰も幸せにはならない、地上で最も存在に意味を感じない、セガール顔デカい、とさえ言われるようになったセガール屈指のスーパーロングラン小河ドラマ、沈黙シリーズ。
だが私は沈黙シリーズの門をくぐって以来初めて驚いた。本気で驚いた。あまりの衝撃さに思わず「狐狼の血」の石橋蓮司みたく「びっくり、どっきり、クリトリス」と声量MAXで叫んでしまった。

この宣伝文句をよく確認してほしい。

「このオヤジ最強。魔都バンコクにセガール拳が炸裂。」

公式が“セガール拳”を認めてる!笑
セガール拳なんてどっかの誰かがその時のテンションとノリで勝手に名付けただけの、実際には存在しないただのネタでしかないのに公式が乗っかってきた。笑

公式にも認められ、沈黙シリーズにしては異例のオールタイロケを無駄金使って無駄に敢行したのもあったからなのか、セガールのセガール拳がいつも以上に凄い事になっている。
セガールが腕を振っただけで全員飛んでく!
とにかく勢い良くオーバーにやられてくれる悪役の皆さん!…いや、セガール拳の前では地球の重力すら沈黙し無効化するという事か。笑
格闘技を通り越して完全に超能力の域に達したセガール拳は誰にも止められない!セガールが本気でセガール拳すればバーフバリも沈黙する弓矢一刀両断だってお茶の子さいさい。
驚異の異次元沈黙スライディング移動で人ん家に侵入し、帰り際に冷蔵庫の水を勝手に拝借しても気配をも沈黙させ誰にも気付かれず真顔で帰宅さ。

従来の沈黙シリーズなら殺気満タンのセガールにただ嬲り殺されるだけのテロリストなのだが、今作のテロリストはただ殺されるのを待つのではなく密かに刺客を集めていた。テロ組織が集めた刺客が、

博多弁のタクシー運転手
ダンシングな黒装束集団
オカマ
呪術が使えるジジイ


沈黙の聖戦に相応しいバラエティ豊かな異色の暗殺者達…と言うより何度考えても見込みがまるでないヤツばかりが集まった。何なんだ、博多弁のタクシー運転手って⁉︎笑

だが呪術使いのジジイは割とそこそこの強敵。遠距離からの人形に針を刺すだけで相手を苦しめる攻撃であのセガールが片膝をついてしまう!
セガールに片膝つかせただけでも大事件なんだが、もっと事件なのは「娘がこの国のどこかで苦しんでるんだッ」とシリアス発言をしておきながらクラブで出会ったすぐヤらせてくれそうな若いチャンのネーをテイクアウトしてしまうセガールパパの唐突な沈黙の性戦にはさすがの俺もびっくりどっきりクリトリスでしたよ。

なんと、今年でセガールは芸能生活30周年目に到達!(ついさっき気づいた!)
デビュー作「刑事ニコ」から30年。無駄に30年。
芸歴30年を迎え、ますますアクションにキレがなくなっていくセガールの激しいセガール拳アクションに酔いしれろ!
Hobbs

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