mikoyan358

人間の條件 完結篇のmikoyan358のレビュー・感想・評価

人間の條件 完結篇(1961年製作の映画)
4.5
2015/9/25鑑賞(鑑賞メーターより転載)
【第6部】6部合わせて点数つけたい所だが凄すぎてこりゃ無理だわ。梶がどうなるかを見届けるべく入った最終部が、悲惨さという意味では一番強いかもしれない。ソ連の捕虜になり、あれだけ人の事を考える思慮深い男だったはずなのに私刑を加えたり、梶の精神はもう破裂直前。それでも妻に会いたいという一心でかろうじて我を忘れずにいる梶には光明を与えて欲しかったが...とにかく、この全く別人とも言えるような変遷を一人で演じきった仲代達也の凄まじいばかりの演技力に大拍手。こんな「映画と思わせないような映画」もう出て来ないのではなかろうか。

2015/9/24鑑賞(鑑賞メーターより転載)
【第5部】敗戦を迎え、シベリア戦線から満洲へと向かういつ終わるともしれない逃避行が大半を占める、ただでさえ陰鬱なこのシリーズの中でもことさらに辛い第5部。何としても妻に会うためにまさに鬼のような形相で歩を進め人の命への向き合い方もかなり粗雑になってきた梶が、それでももうあと一陣の風が吹いてしまうと消えるようなはかない「人間性」というろうそくの火を何とか消さずに状況を切り抜けようとするのが、もう正直正視できなくなってきた。実際の戦地でも、多かれ少なかれタイトルにある人間の条件というものが試されたのであろうが...
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