人間の條件 完結篇の作品情報・感想・評価

「人間の條件 完結篇」に投稿された感想・評価

工事中

工事中の感想・評価

5.0
大晦日~元日のオールナイト、第1部~第6部〈完結編〉の一挙上映。
ちょっと切り口を変えて。

仲代達矢演じる。この梶という男。
要するにチェ・ゲバラ化していくということではないか。

「モーターサイクル・ダイヤリーズ」みたいなものか。

で、この第5部から構成も世界観も演出もガラリと変わる。
正直少し、雑になったとも思える。
緊張感が画面の広さよりも、狭く役者の表情などの内面描写に入り込もうとしていく。

そして、出演シーンこそないが、新珠三千代はどんどんと大胆なエロスを醸し出していく。
いとそ

いとその感想・評価

4.4
9時間ぶっ続けで観ると、この映画の中の仲代達矢が狂っていくのと自分のしんどさがリンクしてしまう。そんな比では無いんだろうけど。金子信雄をボコボコにするところだけ爽快で、あとは絶望しかない。第1部の最初の場面と梶の死が描かれるラストではもう完全に別人。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

4.5
壮大な映像の連続は脳内に焼きつく。
改めて見直しても小林正樹は壁あつき部屋にしろ本作にしろ後の切腹にしろ全て理不尽な社会を鋭く抉っている。こんな才能をもつ監督が当時まだ助監督で木下監督の下で働いてたと思うとやりにくかっただろうと感じてしまう木下監督が…!
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

4.5
2015/9/25鑑賞(鑑賞メーターより転載)
【第6部】6部合わせて点数つけたい所だが凄すぎてこりゃ無理だわ。梶がどうなるかを見届けるべく入った最終部が、悲惨さという意味では一番強いかもしれない。ソ連の捕虜になり、あれだけ人の事を考える思慮深い男だったはずなのに私刑を加えたり、梶の精神はもう破裂直前。それでも妻に会いたいという一心でかろうじて我を忘れずにいる梶には光明を与えて欲しかったが...とにかく、この全く別人とも言えるような変遷を一人で演じきった仲代達也の凄まじいばかりの演技力に大拍手。こんな「映画と思わせないような映画」もう出て来ないのではなかろうか。

2015/9/24鑑賞(鑑賞メーターより転載)
【第5部】敗戦を迎え、シベリア戦線から満洲へと向かういつ終わるともしれない逃避行が大半を占める、ただでさえ陰鬱なこのシリーズの中でもことさらに辛い第5部。何としても妻に会うためにまさに鬼のような形相で歩を進め人の命への向き合い方もかなり粗雑になってきた梶が、それでももうあと一陣の風が吹いてしまうと消えるようなはかない「人間性」というろうそくの火を何とか消さずに状況を切り抜けようとするのが、もう正直正視できなくなってきた。実際の戦地でも、多かれ少なかれタイトルにある人間の条件というものが試されたのであろうが...

このレビューはネタバレを含みます

第5部・第6部の見所といえるのは、ひとつはやり返すところなのだが、それよりも何よりもそれ以降のどうにも何の救いのない最終であり、一緒に観たまあまあ大勢の観客は終わってからも言葉を交わすのも憚られ、全員無言でシアターを立ち去った。
仲代達也に、金子信雄、笠智衆、高峰秀子……、と日本の名優によって完結する一大大河映画。日本映画の頂点の一つ。
スタ

スタの感想・評価

5.0
6部まとめての感想

梶という人間を通して経験する地獄の不条理。正しいことを貫くことに意味はあるのか。苦悩し、絶望し、殺し、狂い、しかしそれでも希望は捨てない。いや、捨ててはならない。

1,2部では管理者として、2,3部では兵士として、5,6部では敗者として。

ありとあらゆる視点から暴かれる戦争というものの虚無。

それでも梶は「人間の隣には人間がいる」と信じ、抗い続ける。

果たして彼は何を得るのか。私の稚拙な言葉では書きつくせない。この映画の9時間半を梶と共に耐えること、それが私にできた精一杯のことだった。
まとめての感想
長いから見るのを躊躇うけど
見てしまうと本当に見てよかったと思う
正しいことをしようとドンドンと窮地に追い詰められていくのが見てて辛い
主人公とは対照的に悪質な行為をしてるような人物たちが優位な立場にあったり生きていく上で正しいことを言ってたりするのも面白い
迫力のある映像を沢山みれて
満足感が凄い大傑作な映画でした映画館でみてみたい
Hero

Heroの感想・評価

5.0
【そして人間でなくなる】
ソ連軍との国境攻防戦に惨敗した関東軍はほぼ全滅。辛くも生き残った梶は食料や武器もそこそこに、永遠に続く密林と曠野を妻の存在を支えにひたすら邁進する。迷い込んだ部落でのある出来事がきっかけでソ連軍の捕虜となる梶。進むも地獄、退くも地獄、追い詰められた梶は“人間”でいられるのか?
全6部作の 第5部 死の脱出篇 第6部 曠野の彷徨篇。

第4部のラストでの苦渋の決断により辛うじて梶は生き残る。しかし、その選択が梶をこれまでになく苦しめる。愛する妻との約束を果たすために、自問自答を繰り返し密林と曠野をひたすら歩き続けるその背中に見える絶望を直視できない。そんな矢先、ある出来事によりソ連軍の捕虜となってしまう。
第1部・第2部では命の安全を保障された状況下で人間を管理する強者として、第3部・第4部では生きるか死ぬか敵も味方も対等な、いやむしろ不利な弱者として、第5部・第6部では明日の命の保証もない逃げ惑う敗残者として、そしてついに管理されるという圧倒的弱者の立場で梶の思想は試される。

誰よりも犠牲を払い、誰よりも人間を信じていた梶を待っていたのはあまりにも残酷な現実でした。
これが戦争なのだ、、、と。

梶という人物を描き切った小林正樹渾身の全6部作計9時間31分から強烈な反戦のメッセージを受け取った。映画館で観て良かった、というか絶対に映画館で観なければならない作品だと確信した。
演出・脚本・撮影・音楽・役者、すべてにおいて超一流。人生ベスト級の傑作を体感できたことに感謝したい。

最後に、この作品を端的に言い切った小林正樹のコメントを「青春を戦争の中で送り、自分の意思に反して戦争に協力する形でしかあの時代を生き残ることができなかった不幸な経験を、梶という人間像の中でもう一度確かめてみたかった」それは確かに、そして見事に成功していた。

《生誕100年 小林正樹映画祭 反骨の美学》

2017-16
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