人間の條件 完結篇の作品情報・感想・評価

「人間の條件 完結篇」に投稿された感想・評価

miyajima

miyajimaの感想・評価

3.0
4〜5年前に観た。
ずっと忘れていたが突然想い出したのであります。
shibamike

shibamikeの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

一年前に第一部~第四部を観てようやく完結編を観た。冒頭にこれまでのあらすじを映してくれたのですんなり話に入れた。

ソ連軍の攻撃から命からがら逃げ延びた梶さん。
「関東軍に未練は無い、俺は自分の日常に帰る!」と妻 美千子さんの元を目指し、ひたすら歩を進める。

第五部の見所は密林での飢餓シーンであらう。人間がバッタバッタと飢え死にしていく。最初はお米を持っていた梶達を大歓迎していた市民達も、食べ物が底をつき、さまよう日が何日も続くに連れて、梶達を罵ったり憎しみだす。いよいよ密林を脱出できなければ全滅だ、というギリギリの所で密林を脱出!(映画だもの)

ようやく平穏がやってくるかと思ったら、次は中国人の武装した民兵に狙われ逃げまくる。岸田今日子が若い。

頼みの日本軍は少数になっても徹底抗戦!の一点張りで話が合わず、喧嘩別れ。
道中、若いべっぴんな日本娘と出会う梶。よく見たら中村玉緒でビビる。
キレイどころの役にも関わらず、日本兵からひどい仕打ちを受ける玉緒。


いよいよ最後の第六部。
ある村にたどり着く梶一向。
そこは村長一人(笠智衆)と女ばかりが住む村。ソ連軍に好き勝手されているものの、村の女(高峰秀子)に言わせると「日本兵は食い逃げするわやりたい放題さ。優しくしてやりゃ、ろ助の方がよっぽどマシだね。」と梶達に啖呵を切る。

しかし、村の女達は力強い男を心待ちにしていたらしく、梶達と村の女達は急速に惹かれ合う。
けれども、そんな所で、ソ連軍が村にやってくる!
身を潜め、決死の戦いを覚悟した梶一向であったが、高峰秀子が「やめてぇー!やめてぇー!あたし達がまた酷いことされるんだよぉーー!(号泣)」と騒ぎ立ててしまい、ソ連軍に包囲され降伏することになった梶達。

ソ連軍の捕虜になった梶達。
強制労働でボロボロにコキ使われる。
一番信頼の厚かった部下の寺田は病気やら疲労やら嫌がらせのために死んでしまう。

梶は共産主義に傾倒していたが、赤軍の無法な振る舞いやソ連軍の過酷な捕虜の扱いを目の当たりにして、胡散臭いデタラメだと思うようになる。
結局、自分の身は自分で守らねばならず、個人の力ではどうしようもない強大な力が世の中を支配していると世の中を諦め気味に。

寺田の敵を惨殺した後、梶は収容所を脱走し、最愛の妻 美千子の元を目指して歩き続けるが、道半ばで力尽きる。終。


奥さんと最後は再会できるのでは、と思っていたので、絶望的に暗いラストで驚いた。救いがまったく無かった。奥さんは梶があんなにしてまで歩き続けたことを知ることができない。

第一部あたりでは中国人を労働力として使っていた梶が第六部では乞食にまで成り果て、中国人達からコテンパンに殴られる。「コキ使った分の高い支払いを今、払うことになった。」と梶は嘆くが、ご利用は計画的に、である。

また、全編通して梶はその高い能力故に、リーダーシップをひたすら発揮し続け、幾度の困難をくぐり抜ける。が、周囲へ求める要求のレベルも高く、脱落する者も少なくなかった。途中、一度か二度、梶は同僚から諫められる。「お前は周囲に求める理想が高すぎる。」と。リーダー論とかになってくるのであろうが、どうするのが最良かは状況や場面に応じて柔軟に対応するとかいう当たり障りない考えとかが必要なのであらう。

戦時中の映画であるが、何となくサラリーマンの一生にも見えるような気もする。上に立てついて、現場の状況を良くしようとしても左遷させられ、会社を辞めて、理想の会社を求めるもそんなものは存在せず、無職のひもじさが容赦なく襲いかかる。いつの時代にも生きにくい人がいる。生き易い世の中にしようとしても、すんなりそうならない。

「人間」と「人」は違うのかもと思った。
「人と人との間で人間」とか金八先生かなんかで言いそうであるが、人間は他者とのつながりの中に生きるもので、人は他者は関係なく、二足歩行であれば犯罪者だろうがなんであろうが人。
人の方が残酷そうである。

人間の条件とは人の間で生きることなのかも。私、人ですわ。
一

一の感想・評価

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第5部は『野火』な地獄。でも岸田今日子が新珠三千代に一瞬変わるシーン、ちょっとおもしろい。金子信雄が徹頭徹尾金子信雄でまた最低に輝いてる~。全6部9時間半まったく飽きることなく観終える。今更言うことでもないけど凄い時代のとてつもなく凄い映画~。

このレビューはネタバレを含みます

怒りのデスロード編

入れ替わり立ち替わりの役者たちや起こる出来事はさながらオデュッセイアか出エジプト記か?な敗残バトルサバイバル映画。

後半はソ連に捕まって鬱屈とした内容になるが、クソ野郎の金子信雄をチェーンでボコボコにして便所に沈めてぶっ殺してスカッ♪とする作品。

そして、梶、荒野に眠る・・・
Kazu

Kazuの感想・評価

5.0
カタルシスがあるのは金子信雄を殺すシーンだけ。日本人の敵は日本人ですね。
ROY

ROYの感想・評価

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国立映画アーカイブ開館記念「シネマ・エッセンシャル 2018」にてキャンパスメンバーズを利用し無料で鑑賞。@小ホール

197分 途中10分休憩あり(本編上映前第一〜四部の梗概あり)
辛いシーンの連続だけど、すごいテンポ良く色々な事件が次々に起き、そしてその度に気分を害す……だけども、
とにかく映像の力に引き込まれていくし、単純にエンタメとしての完成度が圧倒的に高い。
当時の日本映画がどれだけ凄がったのか非常に良く分かる。
いやーこりゃすごい。
すげーな、ほんとすげーしか言えない。

2018-120
こんなに長い戦争映画初めて見たけれどこの長さがポイント。
戦争のせいでじわじわと変わっていく人間を描写するにはこのくらい必要になるんですね!

とにかく戦争は理不尽すぎると痛感した。梶はいったいどうすればよかったんだよ、、、と思ってしまう。
どんな人間でも変化させてしまう戦争の力はすごい。逆らってもどうしようもない。

最後バッドエンドで悲しいけれど、戦争はそうだよねと思った。

あとタイトルがものすごく好き!
これだけでいろいろ考えてしまう。
1週間使ってチマチマと第1部〜第6部まで鑑賞。9時間31分の長い旅路だった。
理想に生きる若きインテリ青年、梶が戦争の荒波に揉まれ、最後の最後に辿り着いた地に唖然。
戦争を描いた作品は数あれど、彼は果たして人間の條件に辿り着いたのだろうか?
要領良く生きた人間と彼との違いはなんだったのだろうか。この過酷な仕打ちこそ映画ならではの説得力だろう。
小林正樹は後の『東京裁判』の制作など生涯に渡って日本の戦争と真正面から向き合ってきた。既に高度経済成長で日本人が戦争を忘れ始めようとしている真っ只中でこのような作品を投下した覚悟にただただ敬服の外はない。
大晦日~元日のオールナイト、第1部~第6部〈完結編〉の一挙上映。

◆人間の條件・第五部~死の脱出篇
◆人間の條件・第六部~曠野の彷徨


◆この第五部では、「梶(仲代達矢)たちには、敗戦の連絡は無いが、生きる道を歩く様」が延々と続く一篇である。 

敵(ソ連)のど真ん中、敵中突破して逃げる3人の敗残兵である梶たち。 
森の中で女子供(その中には岸田今日子もいる)と出会う敗残兵3人だが、その後の女子供を連れての行軍では、飢えと疲れで森を進むうちに脱落者が次々と出る。 
大地をさまよう梶は、過去を回想するシーンが多数あらわれる。 

中国人の民兵団に狙われながら突進する梶たちだが、兵士xxx(内藤xx)の「くだらん自由を、高い金払って買っているだけかもしれん」のセリフは状況を顕著にあらわしており、素晴らしい。 

梶が女(岸田今日子)を見ている時に、それが妻(新珠三千代)に置き換わって見えてしまうシーンなどは映画ならではの表現である。

◆この第六部(完結篇)では、「梶(仲代達矢)の生き様」が集約されている。 

まだまだ森の中、原野を彷徨い続ける梶たち一行、ときおりロ軍と対峙して小競り合いしながら、日本人ばかりの避難民部落に辿り着く。そこには、避難民の女(高峰秀子)や老人(笠智衆)が居る。 

ここでも、梶は、避難民の女(高峰秀子)の話し声が、妻(新珠三千代)と姿も重なる。

避難民たちは、「ロ助」や「満人」を警戒しながら生きているが、その部落にソ連軍がやってきて、女(高峰秀子)の叫び声によって、梶たちは降伏して捕虜となる。 
そして、某所での労働を経て、通訳の意図的な誤訳によって梶はシベリア送りとなる。 
その後は、幾多のエピソードを経て、曠野に小さな雪の丘が出来る。 


「にんじんクラブ」を中心に、小林正樹監督らスタッフや出演者たちの苦労の結晶となる大傑作である。
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