うさみ

姑獲鳥の夏のうさみのレビュー・感想・評価

姑獲鳥の夏(2005年製作の映画)
3.0
この昭和の怪奇映画のような雰囲気がたまらない。
さすが実相寺昭雄監督作品といったところ。
お馴染みの独特なアングルや演出も健在で、2005年という制作年にも関わらず、古き良き怪奇ムードが存分に溢れでており、「怪奇大作戦」などで実相寺監督の虜になった自分としてはなんとも嬉しい限りだった。

しかし肝心の内容は都合の良い展開の連続で、ミステリーとしては致命的な感じ。
会話のシーンばかりで「動」的なシーンが少なく、テンポも良いのか悪いのか解らないくらい内容が分かりにくいというのも問題だと思った。

私は原作未読なので、これが京極夏彦の世界観なのかもしれないが、実相寺ファンでもない人間が単体の映画としてみた場合なかなかのダメージを受けるのではないだろうか、という印象。

実相寺監督の世界に浸る、ただそれだけためのの映画。