デヴィッド・シュモーラー監督作の中で一番面白いと思う。
やっぱりこの監督の映画の雰囲気の良さは素晴らしい。美術・音楽・演出のどれからもホラー映画らしからぬ芸術性が漂っている。
しかも、いつもの彼の作品なら設定と雰囲気だけであとは退屈な作品になるところだが、何故か今回の「クロールスペース」は面白く最後まで観れてしまう。しかしいつも通りのスローテンポ、無いに等しいストーリーには変わりない。
やっぱりこれは怪優クラウス・キンスキーの演技のお陰で間延びしないのだろうと思う。
「からくりアパートの大家が殺人鬼」というシュモーラー監督が作り上げた魅力的な設定を存分に盛り上げる素晴らしい役どころを見事に演じている。
エンパイアピクチャーズの中でも上質な味わいの作品。