静かな興奮を帯びる音楽が、
哀愁を誘う時代の映像が、
35mmフィルムに残る傷さえも美しくて、時間があっという間に感じさせる。。。
本を捲るように移り変わる映像は兎角統制の取れた美しい物語を丁寧に伝えてくれる。
トニーはとても普通な人。
誰にでもある、記憶を閉じ込めた部屋。
彼の部屋は、再びカラッポになる。
愛した故人から切り離されてしまえば、どれほどその人を思い出させるものだとしても、無機物の他、何物でもない。
そもそも、愛があったのか。
そんな野暮な問いはしない。
物語が欠けている男の話だとしたら、映画は、その他の多くを美しく補い完成形となっている気がした。美しい旋律とナレーション、台詞、芝居、画、そのどれもが快く入ってくる。
…格好いい
何年振りだかにCDを買ってしまった。
再生機を買わないと