きゅうげん

サスペリアのきゅうげんのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.3
極彩色の照明が爛々系ホラーのパイオニアのひとつ。
「メルヒェン」×「ジャーロ」×「ゴシック」!

「若い男女が森のなかで……」というフォーマットを”ソドム”的な下卑た趣向へ走らせず、”ミネハハ”的な幻想世界の雰囲気を失わないまま、しかしおどろおどろしい恐怖も盛り込んでいます。
物語の要素・展開・構図としてはクラシカルでありながら、その恐怖表現には'70s~’80s当時のエグさがあり、古典的ホラーという通時的な文脈とスプラッター・スラッシャーの共時的な文脈とが、うまく溶けあった唯一無二の作品です。

お人形さんのように美しい女優陣やアダムス・ファミリーみたいな教員たち、舞台のショッキングなデザイン性も相まって、カリカチュア度が非常に高いところもフェティッシュに訴えかけますね。
それと、一瞬だけ出てくるウド・キアがスマートでかっこいい。